水素エネルギーで動く、
新しい世界をつくりたい。
「あっ」。自動車雑誌を読んでいた藤井隆宏は思った。水素と空気で電気をつくることで走るクルマの記事。当時勤めていた会社で研究していたものと逆のしくみで走る、新しいクルマに興味が湧いた。読むほどに「これから大きく世の中が変わる」そう思った。燃料電池なんて言葉すら知られていない時代。彼と燃料電池の最初の出会いであった。
素材メーカーから自動車メーカーへ、そしてパナソニックへ。技術者として20年以上、燃料電池を追いかけるように歩んできた。それは「絶対に水素の時代になる」という確信も