マネージャーの仕事は「成長支援をすること」 2つの失敗から学んだ、人材育成の理念
見出し画像

マネージャーの仕事は「成長支援をすること」 2つの失敗から学んだ、人材育成の理念

こんにちは、パナソニック株式会社note編集部です。
今回は、パナソニックの人事部門で働く田中(たなか)の「#あの失敗があったから」をご紹介いたします。

★★★

はじめまして、パナソニックの田中です。

パナソニックとnoteが主催する投稿コンテスト「#あの失敗があったから」の締切日(6月27日)も残すところあと4日間を切っております。まだまだ皆さまのご応募お待ちしておりますので、どうかご応募よろしくお願いします! この機会に、パナソニックで働く私の「#あの失敗があったから」をお話しできればと思います。

「社員と会社のWin-Win」を実現したい

本題に入る前に、私の現在の職場について紹介したいと思います。現在私は、パナソニックの人事部門で責任者を担っています。

私が担当する企画部は私を含め総勢16名ですが、多様な強みや経験を持つメンバーが集まり活躍する、まさにD&I(Diversity & Inclusion)が進んだ組織です。

というのも私のように、入社以来、人事の仕事をしているのは16名中わずか4名(内2名は入社3年以内の新入社員)しかいません。

これまで事業企画、商品企画、研究開発、生産技術などを担当し、社内公募異動制度を利用したり上司に異動希望を出したりして異動してきた者が5名、他社で経験を積みキャリア人材としてパナソニックに転職してきた者が3名、社内複業制度を利用して本業とは別に兼務で働いてくれている者が2名、社外から出向して専門性を発揮してくれている方が2名というように、まさにさまざまなバックグランドと強みを持った多様なメンバーが集まる組織です。

このような多様なメンバーとともに、これからのパナソニックでご活躍いただく人材の獲得力強化に向けた施策の企画・実行や、ご入社いただいた後にモチベーション高く早期にご活躍いただくための仕組みづくりなど、さまざまなテーマにチャレンジしています。

ところで、世の中の多くの責任者は、互いの心が通じやすく、仕事がし易いという点で、「均質的なメンバーの組織マネジメントを好む傾向がある」と一般的に言われています。

しかし、私の場合は、かつて私自身が過去に経験した失敗の学びから、そうは思わなくなりました。今はむしろ多様なメンバーと働くことが好きですし、一人ひとりにできるだけ丁寧に寄り添い、それぞれがチャレンジしたいことや実現したいことをサポートしたいと考えています。

「一人ひとりのwillの実現」を支援すること、そしてその実現過程を通して、「一人ひとりの成長を促し、チームのモチベーションが高い組織をつくる」ことによって、「私自身が実現したい改革を早期に実行する」という、いわば社員と会社のWin-Winの実現を目指し、日々やりがいをもって取り組んでいます。

部長の「本当の想い」に気づき前進した過去の自分

現在の私のマネジメントスタイルを形作ることに繋がった、印象的な失敗経験を2つ紹介したいと思います。ちなみにここで紹介するのがはばかられるような失敗経験談はこれまでに数え切れないほどありますが、懐の深いこれまで仕事を共にしてきた皆さんのおかげで何とかここまで頑張ってくることができました。

まず1つ目の失敗のエピソードは、入社5年目頃にさかのぼります。当時私は神戸市にあるIHクッキングヒーター、炊飯器、電子レンジ、オーブントースターなどの調理家電を担当する事業部の人事部で働いていました。

その時に取り組んだ業務の1つとして、毎年1回、全従業員に対し実施している意識調査があり、いわゆる満足度調査の結果データをもとに、「担当する事業部が抱える組織風土面の課題を明らかにすること」に取り組んでいました。

今と異なり、便利な仕組みがあった訳ではないので、エクセルのローデータをもとに、さまざまな分析・加工をしながら報告書を作っていました。

エクセルは社内技能競技大会で銀賞を取得するほどの得意ツールだったので自信もあり、データを分析・加工し、その結果をみて考察した上で、内容を報告資料にまとめるということに相当手間暇をかけて、数日間に渡り遅くまで働きながら取り組んでいました。

そして出来上がった報告書をこれ見よがしに自信満々に部長にレポートしたのですが、当然、部長から「ああした方がいい」「こうした方がいい」と想定以上に沢山の提案が出された訳です。

もちろん労いの言葉もありましたが、当時の私は部長の気持ちを読み取れず、「あれだけ必死にやって取り組んだのに何故ダメだというのか、まだこのテーマに時間をかけないといけないのか、他にも沢山の仕事を抱えているのにどうしろと言うのだ」という思いが沸々と湧いてきて、思わず口答えをしてしまったのです。

「部長、そんなに沢山のご提案を言われても私にはできません。もう十分にやりきりました。」と生意気にも発言してしまいました。

基本的に私は何事も前向きに取り組むタイプでしたし、部長もそのように見ていたでしょうから、部長も「えっ」というような一瞬戸惑いを見せられバツが悪そうにしながら、「田中君なら今提案したことを、きっとできると思ってお願いしたのだけど、無理なら仕方ないね。準備してくれたこの資料のままでよいから、他の仕事を頑張ってくれたらいいよ」と言われ、報告が終了しました。

その瞬間に私もしまったという思いがあったものの「すみませんでした。やっぱりチャレンジしてみます」と言えずに、部長は一旦準備した報告資料のままでよいと言ってくれたので、私自身は内心ほっとしながら席に戻りました。

そして数日間、後味が悪い気持ちで冷静に回想する中で、自分が誤っていたことにはっと気づいたのでした。「部長は今回の仕事を通じて、私の成長をさらに促すために親身になって指導し、成長の機会を与えようとしてくれていたのだ」とわかったのです。忙しい部長がいつも私の提案を聞いて下さり、丁寧に言葉を返してくれたのは紛れもなく私を想ってのことでした。

以来、部長からの要望・期待に対して、その目的を正しく理解し納得したうえで、どんなに困難な壁が予想されたり忙しい状況であったりしても、決して「できない」と言わずに、「大事な取り組みですね。ぜひやってみます」とこれまで以上に前向きに仕事に邁進するようになりました。

このような経験を通して、パナソニックの創業者・松下幸之助の経営理念の1つである「物をつくる前に人をつくる」という考えに基づき人材育成に注力することを、まさに部長が実践してくれていたと理解できました。

そして将来、自分が誰かを指導できる立場になったら、創業者の経営理念に基づき人材育成に重きを置いて、チームメンバーの成長を実現していきたいと固く決意したのでした。

一人ひとりの「価値観」に合わせた育成を知る

次に2つ目の失敗エピソードですが、今度は私がチームのメンバーをマジメントする立場になった入社17年目頃にさかのぼります。

当時私は大阪府門真市にあるキッチン、バス、トイレ、洗面台、建材、屋根材などの住宅設備機器を担当する事業部の人事部で、人事課長として6名のチームメンバーを抱え、前述での決意のとおり、まさに「チームメンバーの人材育成を重視したマネジメント」を日々進めていました。

ある日のこと、チームメンバーの一人から、私からの期待に応えるのがプレッシャーで、働くのがつらいといった悩みを打ち明けられました。しかも、その悩みを直接打ち明けられたのではなく、私を指導する立場である部長に対して悩みを打ち明け、部長から伝え聞いて知ったのです。

その時は「しまった」と思いました。まず「本人の理解が十分に得られていない中で、仕事の負荷をかけすぎてしまった」こと、そして何よりも「抱える悩みを本人が私に直接打ち明けられなかったという点で、信頼関係が希薄であった」ことです。

部長から話を聞いてすぐに、そのチームメンバーに対して「私のマネジメントが至らず、負担をかけてしまい申し訳ない。今後マネジメントを改めるのでゆっくり話を聞かせてほしい」とお願いし、数日後に二人で話をしました。

そこでわかったのは「成長を期待してさまざまな仕事を与えようとしてくれるのはありがたいが、仕事ばかりではなく、プライベートも充実させたい」という気持ちを抱いていることでした。

まず負荷を下げる方向で業務の分担を見直したうえで、チャレンジしたい仕事が何なのかを改めて確認し、その仕事にも注力できるようにしました。

しばらく経った頃、そのチームメンバーがこれまで以上にやる気に満ち溢れ、仕事を通じてどんどん成長していることを感じられるようになりました。その結果、そのチームメンバーが人事として担当している職場の責任者や従業員からも、活躍の声がどんどん聞こえてくるようになり、私に対してプライベートの相談をしてくれるようになるなど信頼関係も構築されていきました。

このような経験を通じて、私は自分が持つ働く上での価値観とチームメンバーの価値観とが必ず一致する訳でもなく、また一致させる必要は一切ないということがわかりました。

一人ひとりが働く中でチャレンジしたいことや実現したいことは千差万別であり、まさに一人ひとりのwillの実現を最大限支援していくことが人をマネジメントする立場の大きな役割だということを学んだのです。

人材育成は「趣味」 成長支援こそがマネージャーの役割

以来、多くの仲間と仕事をしてきましたが、一人ひとりのwillを丁寧に確認し、willの実現につながる仕事を積極的に与え、その中でチームのメンバーが成長していけるように支援することがマネージャーという役割を担う中で一番の肝であると考え、現在も日々実践をし続けています。

ある時に以前指導したことのある後輩から言われた嬉しい一言をご紹介します。「田中さんは人材育成が趣味ですからね。チームメンバーの育成指導をしている時は楽しそうですね」。私が大事にしている仕事に気づいてくれていて嬉しく思いましたね。

最後に私が人材育成の際にまさにバイブルとして参考にしている、旧日本海軍の名将・山本五十六が残した言葉を紹介します。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」

<プロフィール>

プロフィール画像

田中 和也(たなか・かずや)
京都大学を卒業後、1998年にパナソニック入社。現在(21年6月)、人事部門の企画部長として人材獲得・セカンドキャリア支援体制の強化に向けたさまざまな変革を牽引中。

◆パナソニック採用HP

画像2

★★★
「#あの失敗があったから」コンテスト開催中

みなさまの今の自分につながる「失敗」を、私たちにも教えていただけるとうれしいです。どのような投稿が届くのか、いまからとても楽しみにしています。

私たちのnoteでも、選考とは関係なく、随時取り上げていきたいと思います。

みなさまぜひお気軽にご参加ください。たくさんのご応募をお待ちしております!

コンテスト詳細はこちらから。



この記事が参加している募集

note新エディタ

よろしければシェアもお願いします!
一人ひとりが、いま以上の「いま」をソウゾウしてゆくために。パナソニックの公式note「ソウゾウノート」は、<あしたのソウゾウが響き合う>をコンセプトに、毎日の営みのなかでこれからの道をソウゾウしていく場所です。みなさんがソウゾウしたことも教えてくださいね。