阿部広太郎さん「僕と君。私とあなた。阿部広太郎と松下幸之助。」|僕らの時代 Vol.2
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阿部広太郎さん「僕と君。私とあなた。阿部広太郎と松下幸之助。」|僕らの時代 Vol.2

若き人びとよ。
つくりあげられた今までの世紀のなかで、あなたがたは育ってきたけれど、
こんどはあなたとあなたがたのこどものための世紀を、
みずからの手でつくりあげなければならない時がきているのである。
(出典:『続・道をひらく』PHP研究所)」

ここに引用したのは、松下幸之助が未来を担う若者へのこした問いかけです。本を通じて投げかけられたこのメッセージに、今を生きる私たちはなんとこたえることができるでしょう。

「僕らの時代」第2回目のゲストは、コピーライターの阿部広太郎さん。「世の中に一体感をつくる」のビジョンのもと、言葉の企画で人と人をつなげてきた阿部さんが思う、出会いの可能性とは――。

★★★

僕と君。私とあなた。阿部広太郎と松下幸之助。

自分を開け。他人を受け入れろ。

4年前のnoteに、そう書いた。「誰かのせいにしていた自分へ。」というタイトルで、二十代の駆け出しの頃を振り返って書いたnoteだった。仕事をする中で、どうにも自分らしく働けていない、苦悩している頃の自分を回想しながら綴った文章だ。その中に書いてあったのが冒頭の1行で、2021年の今、改めてうーむと考えている。

それって「自己開示」をするってことですかね? 苦手なんですよね。


そんなニュアンスのことを言われて、ちょっと違うんだよな、と思ったのだ。その「ちょっと」が何かをずっと考えていた。僕が考えている「自分を開く」の思いはこうだ。学生でも、社会人でも、他人と出会う中で、その人との間に刺激が生まれて、新しい自分を発見していく。磨き合える環境に身を置くことが大切なのだ、と。

今こうして改めて書いても、まあそうだよな、と思う。「他人を受け入れる」というのも、まるごと飲み込む、というのとも違って(そんなことしたら、心が食あたりを起こしてしまいそうだ)いい距離感でキャッチボールをするような、対等に思いを交換する、というようなニュアンスだ。


「自己開示」という言葉の意味を改めて調べてみた。

自分に関するプライベートな情報を相手に話すこと。自分の生い立ちや趣味を話題にしたり、過去の失敗を打ち明けたり。自分の思いや意見を正直に話すこと。

うむうむ。だとすると、僕も自己開示は苦手だ。誰に対してもプライベートな情報を話す訳がないし、自分の思いや意見を正直に話すかというと……めちゃくちゃ人を選ぶ。この文章を読んでくださっているあなたも、そりゃそうだ、ときっと思ったのではないかと思う。


話は少し変わる。僕は今、宣伝会議のコピーライター養成講座で、言葉とデザインが出会う連続講座「ART&COPY」の主宰をしている。通称「アートとコピー」。デザインをする人と、コピーを書く人が、ともに切磋琢磨をする講座で、40人で約半年間を過ごす。しかも、課題ごとに組むコンビが変わる。それは、小学校の時にあった席替えで隣の席が誰になるかのドキドキを、毎回味わうような、そんな感覚だと思う。

僕自身、駆け出しの頃、広告賞にエントリーするために、たくさんのデザイナーと組んできた。うまくいったこともあれば、あ〜遠慮しちゃったな〜〜〜。やりきれなかった、、、そんな風に思うこともたくさんあった。

人間だもん、そりゃ相性はあるよね、と思う。ただ、誰と組もうが、誰と一緒につくろうが、心がけておくべきことがあるなと経験を重ねるほどに思った。

・「話し合い」というよりお互いの考えの「聞き合い」をする。
・いきなり「No」ではなく「Yes and」で思いを重ねていく。
・ぶつかろうとも、幸せになるためのゴールを目指している。それは一緒。

今こうして書いたことがテクニック的な聞こえ方をしたらいやだけど、「相性」を超えたその先にいくための心構えだと思っている。見てきたこと、聞いてきたこと、育ってきた環境が違うから、真剣になればなるほどぶつかる。それでも、お互いをリスペクトする姿勢を忘れちゃいけない。

こうやって書くのはものすごく簡単で、実際かたちにしていくのは難しい。尊重し合うためにも、いったん受け入れる。そこで思うことがあれば伝える。伝える上でも「こんなのがあるよ」って、お互いに提案を重ねていく。それもひたむきに。その先に、唯一無二の「と」が待っていると思う。


「と」、それはふたりの間にある関係性。一文字から無限に広がる感情の塊。

僕と君。私とあなた。さきほど書いた自己開示も、この人には伝えたい、そういう人が現れた時に心の玄関を開けばいい。「いらっしゃい、どうぞ」って。誰にでも自己開示する必要なんてどこにもない。

自分を開け。他人を受け入れろ。僕の書いたこの言葉もそうだ。開きたいと思う、受け入れたいと思う、そんな「と」のカギを持った人が現れる。出会うためにも、その人を探し続けないといけない。そして、出会った時に素直に、照れずに感動を伝えればいい。

僕は「と」のカギを持った人になりたいと思う。「あなたには話したい。あなただから話せる」そう思われる人になるために、自分を磨き続けたいと思う。

阿部広太郎と松下幸之助。

松下幸之助さんの本を読めば読むほど、伝記を調べれば調べるほど、果てしない人だなと思う。僕が好きな松下幸之助さんの言葉を紹介して、しめくくりたいと思う。

お互いに、自分が他人とちがう点を、もっとよく考えてみよう。そして、人真似をしないで、自分の道を自分の力で歩んでいこう。そこにお互いの幸福と繁栄の道がある。

最後に僕からも一言。

松下さん、僕なりの幸せをかたちにし続けます。



阿部広太郎(あべ・こうたろう)
1986年生まれ。コピーライター&作詞家。BUKATSUDO連続講座『企画でメシを食っていく』主宰。パーソナリティーを務めるラジオ番組「#好きに就活 『好き』に進もう羅針盤ラジオ」はAuDee(オーディー)で配信中。著書に『待っていても、はじまらない。ー潔く前に進め』(弘文堂)、『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』(ダイヤモンド社)、『それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない「解釈」の練習』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

Twitter /   note  /  AuDee

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noteマガジン『僕らの時代』は、様々なフィールドでソウゾウリョクを発揮し、挑戦を続けている方々とコラボレーションしていく連載企画です。 一人ひとりのユニークな価値観と生き方を、過去からのメッセージに響かせて「いま」に打ちつけたとき、世界はどのように響き合うのでしょうか――。

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