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不具合ゼロをめざし、パナソニックブランドを守りたい。

子どもの頃から正義のヒーローが大好きだった。「なぜだか昔から真面目な性格で、ちょっと融通が効かないところもあるくらいです」。就職先を考える時も、軸になったのは正義感。何かを守るような仕事がしたくて、いろいろな職業を検討するなかで行き着いたのが、品質管理だった。

パナソニックに興味を持ったのは、品質と言えばパナソニックという印象があったから。「実家でパナソニックの電子レンジを30年くらい使っていて、耐久性の高さを感じていました」。そこで品質管理の企業説明会に行ってみると『企業ブランドを守る、支える』という言葉が出てきて、まさに自分の想いと一致。ここで働きたいと思った。

入社時は、コロナ禍の真っ只中。リモートでの研修からスタートし、現場を知る大切さや、不具合ゼロをめざす姿勢を学ぶ。その時、自分も実際に現場に行き、不良がどのくらい発生するのかを知らなければならないと思った。「そういうところも、妙に真面目で正義感があるんです」。

本社勤務から工場勤務を志願し、2年目から長野県にある松本工場に配属。カーナビの品質管理を担当することになる。実際に工場に行ってみると、多くの発見があった。「自動化が進んでいる工場で、不良はほとんど出ないだろうと思っていたんです。それが実際は想像していたよりも、さまざまな不良があり驚きました」。

カーナビは車種に合わせたいろいろな形の製品を少量ずつ生産するため、生産効率を考慮し自動化せずに手作業で組み立てる工程も多い。そのため作業にばらつきが出て、不良も多くなるという特徴があった。それは当然、品質管理の仕事にも影響する。「品質を守る仕事は、思っていた以上に地道で、泥くさい部分もある。それも現場に行って知ったことでした」。

品質管理の基本となる仕事は、製品が仕様通りにできているか確かめること、そして不具合があった際に迅速かつ誠実に対応しお客さまからの信頼回復に努めること。その上で、品質を保ち、高めていくためには、生産設備や製造など、現場に関わる人との協力が欠かせない。「製品に傷がつかないように作業台を広くしたり、ミスが減るように組み立てる手順を変えるなど、手作業での品質を高める方法を考え、他職種の方に対応を依頼します」。

最初は現場を知り尽くしたベテラン社員に対して、来たばかりの自分が依頼することに苦労した。それでも前向きに取り組んできたのは、やはり正義感から。「品質管理が妥協してしまったら、ほかの職種の方にも影響し、よくない風土が広がってしまいます。どんな状況でも知恵を出して、1件でも不具合を減らしていく。そういう姿勢を保ち続けなければいけないと思っています」。

少しずつ現場を知り、仕事に慣れてきた頃、今井にとって転機となる出来事が起こる。量産中のカーナビで、ダイヤル操作に違和感があるという不具合が生じた。原因は使用している部品が割れやすかったことだが、カーメーカーとの取り決めもあり、容易に部品を変更できなかった。その結果、たったひとつの部品の影響で、何台もの製品を廃棄せざるを得ない状況が続いた。「この経験から、品質管理が担う責任の大きさを改めて実感しました」。

カーナビは、安いもので1円にも満たない部品を数万点組み立ててつくられ、それをカーメーカーに購入していただき、高いもので1千万円のクルマの一部となってエンドユーザーに届く。そのためエンドユーザーは非常に細かいことにも敏感であり、期待も高い。「だからこそやりがいもあるのですが、わずか1円の部品が原因でも、トラブルがあれば経営に大きな影響を与えうるという厳しさもあります」。

この経験を経て今井は、品質管理として仕事の幅を広げたいと思うようになった。量産段階で問題が発見されたのでは、莫大な損失額や仕事のやり直しが発生してしまう。本当に品質を高めるためには、モノづくりの上流工程である製品設計の段階から、より深く関わることが重要だ。「過去の不具合にどう対応したか、生産現場ではどういう製品が扱いやすいかなど、品質管理ならではの知見をもっと設計に伝え、活かしていくことで、不具合が出にくく、安く、早いモノづくりに貢献していきたいと考えています」。

さらに、社外にも目を向けている。「カーメーカーから指定された部品の不具合や、クルマに取り付ける工程での故障など、当社だけではどうしても解決できない問題もあります。カーメーカーとの協力関係をより密にして、エンドユーザーにとってよりよい製品づくりを共に追求していきたいです」。守る仕事がしたくて入社した今井。そのために今、攻めていこうとしている。まだまだ志半ばであるが、品質を守る者として着実にたくましくなっている。

<プロフィール>

今井 裕一郎(いまい ゆういちろう)
品質管理
パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社
2020年入社 物理学専攻卒

松本工場に赴任してからスキーを始め、シーズンには毎週のように雪山へ。また、最近新車を購入し、ドライブも趣味になった。仕事で多くの人と接している分、ひとりで没頭する時間がリフレッシュになっている。

◆パナソニックグループ採用サイト
https://recruit.jpn.panasonic.com/

*所属・内容等は取材当時のものです。


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