藤原麻里菜さん「無駄なものの居場所」|僕らの時代 Vol.6
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藤原麻里菜さん「無駄なものの居場所」|僕らの時代 Vol.6

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自分らしい価値観をたいせつに、志をもって活躍している人とコラボレーションしていく「僕らの時代」。第6回目のゲストは、発明家の藤原麻里菜さんです。

若き人びとよ。
つくりあげられた今までの世紀のなかで、あなたがたは育ってきたけれど、
こんどはあなたとあなたがたのこどものための世紀を、
みずからの手でつくりあげなければならない時がきているのである。
(出典:『続・道をひらく』PHP研究所)」


松下幸之助が未来を担う若者へのこしたメッセージに、今を生きる私たちはなんとこたえることができるでしょう。

世の中にとくに必要ないものを発明する「無駄づくり」を生業にする藤原さん。彼女がソウゾウをつづける想いとは――。

藤原麻里菜(ふじわら・まりな)
1993年生まれ。コンテンツクリエイター、文筆家。
頭の中に浮かんだ不必要な物を何とか作り上げる「無駄づくり」を主な活動とし、YouTubeを中心にコンテンツを広げている。2016年、Google社主催の「YouTubeNextUp」に入賞。2018年、国外での初個展「無用發明展- 無中生有的沒有用部屋in台北」を開催。25000人以上の来場者を記録した。2021年「考える術(ダイヤモンド社)」「無駄なマシーンを発明しよう(技術評論社)」を上梓。「オンライン飲み会緊急脱出マシーン」が第24回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門審査委員会推薦作品に選出される。 2020年にはForbes Japanが選ぶ「世界を変える30歳未満」30 UNDER 30 JAPANに選出。

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★★★

無駄なものの居場所

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無駄なものをつくる活動をかれこれ8年くらい続けている。そして、今はそれがわたしの生業になっているし、それがわたしを形づけるものでもある。わたしにとっては「無駄なものをつくる」という活動は、なくてはならない必要なものだ。

人よりも無駄と密接に関わってきた人生だろうと思うが、「人生に無駄なことってあるのだろうか?」という問いには、まだうまく答えられる自信がない。無駄ってなんなんだろう、無駄なことってほんとうにあるのだろう。役に立たないものは本当に役に立たないのだろうか、役に立つことだけが価値なのだろうか。

松下幸之助さんの「道をひらく」の中にこんな一章がある。

「この世の中に存在するものは、一つとしてムダなものはない。ムダだと思うのは、その活かし方、使い方を知らないだけ。活かし方を知らなければ、すべてのものがマイナスになる」

世の中に無駄なものはない、と松下さんは断言した。無駄を生み出すごとが仕事の自分としては、なんだか考えさせられる一言だ。でも、松下さんの考えは「無駄」を否定するものではなくて、「無駄」を寛容に受け入れることで新しい価値を生み出せるというものである。


「無用と思われていたカビのようなものでも、これを有効に使えば、貴重な働きをすることがわかってきた今日、この世の中はまさに無限の宝庫である。すべての物はもちろんのこと、マイナスでしかない人間など、本来この世にあろうはずがない。」

そしてこう続く、

「お互いに、もうすこし謙虚でありたい。もうすこし勇気を持ちたい。そして、もうすこし寛容の心を持って、すべての物が、すべての人が、時と処を得て、その本来の値打ちが活かされるようにつとめたいものである。」

わたしが無駄づくりを始めた理由は、物づくりが好きだけれど不器用で下手で、変で無駄なものしか作れないからだ。そんな自分をコンプレックスに思っていたけれど、「無駄づくり」という言葉を作ったことで、自分の作る無駄なものに新しい居場所を与えることができた。

人生には無駄がたくさんある。でも、その無駄たちに居場所を作って生き生きとさせることが、わたしたち人間にはできる。学校をサボって映画や小説を読みあさっていた時間は教養となり、友達と夕方から朝までだらだらと飲んでいた日は思い出になって、下手くそだけど好きな物づくりは仕事になった。

無駄ということは新しい価値だ。ちょっとだけ勇気をもって、無駄なものに寛容になる。そして、居場所を作ってあげる。それによって、世界はより楽しくなるし愉快になるとわたしは感じる。


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noteマガジン『僕らの時代』は、様々なフィールドでソウゾウリョクを発揮し、挑戦を続けている方々とコラボレーションしていく連載企画です。
一人ひとりが持つユニークな価値観と生き方を、過去からのメッセージに反響させて“いま”に打ちつけたとき、世界はどのように響くのでしょうか――。

▼「新たな時代」全文はこちらから

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