【内定者編集部】専門性を活かしチームで成し遂げる~法務・大久保さん~
内定者編集部の社員インタビューが今日から始まりました。パナソニックグループで働く方へのインタビューを通して、私と同じ学生の皆さんに仕事や社会人の方を身近に感じていただくきっかけ作りができれば嬉しいです。
さて、初回となる今回はパナソニック インダストリー株式会社 リーガルセンターの大久保さんにお話をお伺いしました。
まず、一言でお伝えしますと、大久保さんは専門性と高い志を持って法務の仕事に取り組んでいる方でした。
企業法務の仕事ってどんなことするの?
豊嶋: 大久保さんが行っている企業法務の仕事について簡単に教えてください。
大久保さん:電子部品・モータ等のデバイス事業(BtoB)に関する契約、M&A・アライアンス、事業再編、コンプライアンス、子会社ガバナンス、紛争・事件対応などの法務案件に関わっています。海外に関わる仕事に携わる機会が比較的多いですね(6割くらい)。案件を推進する際は、パナソニックグループ内の各社や各管理部門の専門家、海外案件では各地域の社内外の弁護士など、様々な方と連携して進めています。
豊嶋: なるほど。海外に関わる仕事がそんなに多いとは驚きです。法律関係の仕事というとどうしても弁護士事務所をイメージしてしまうのですが、企業法務ならではの特徴はありますか?
大久保さん:弁護士事務所との仕事の違いは、弁護士事務所の先生方はそれぞれの専門分野に関する高い専門性を持ち、依頼に基づきクライアント企業を外部からサポートされるのに対し、企業法務は、法務の知見を持ちながら、ビジネスの知見や経営視点も踏まえて当事者として様々な案件を全体的にマネジメントする点にあります。人事や経理や営業など、他部署と連携して多様な専門性を持った方々とチームを組んで取り組み、プロジェクトに最初から最後まで関われたりするのは企業法務ならではかもしれませんね。
例えば、「契約」等を通じてビジネスの舵取りを行ったり、「アライアンス」のように会社にとって戦略的に実行して攻めに当たる仕事もあれば、「コンプライアンス」のように社会からの信頼などに直結する守りに当たる仕事もありますが、幅広い業務に関われるのは楽しいです。
豊嶋:法律に関する専門性をあらゆる角度でビジネスに活用するというイメージはなかったです。大久保さんの感じる企業法務の魅力を教えてください。
大久保さん:法務業務全般について言えば、自己の専門性を武器に、事業を健全な形で実現し、経営貢献ができるのが大きな魅力だと思います。私はM&A・アライアンスのような戦略案件に関わることが多いのですが、これらについて言えば、本当に大変ですが、ダイナミックな経験ができ、プロフェッショナルとしても人間的にも大きく成長できることが魅力です。
M&Aであれば場合によっては数百億円以上のコストをかけて行うことになりますので、狙った効果が実現できるよう、M&A先の事業等を様々な角度から慎重に検証し、M&A契約で必要なリスクヘッジを行ったり、M&A後にはシナジー効果を出したりガバナンスを効かせるための各施策の実行が必要になります。当社では、法務はこのM&Aプロセスの初期から最後まで関わることができるので、タフな交渉や社内調整で苦労することもありますが、とてもやりがいを感じています。
豊嶋: 数百億円以上の規模のプロジェクトはすごいですね。「自己の専門性を武器に、事業を健全な形で実現し、経営貢献ができるのが大きな魅力」というのがとても伝わってきました。最後に「タフな交渉」といった言葉がありましたが、途中で心が折れそうになることはありますか?
大久保さん: 確かに、厳しい交渉場面もあり、心が折れそうな時もあるのですが、それ以上に戦略的意義のある案件をリードするワクワク感が大きく、様々な面で成長を実感することができるので、とてもやりがいの多い仕事だと感じています。特に、やり切った時の達成感は大きく、案件のプレスリリースが出てプロジェクトメンバーと苦労を労う瞬間は本当にかけがえのない時間ですし、タフな交渉等も経て、M&A先の方々と信頼関係を築けた時はとても嬉しいです。
ただ、やはり大変なことも多いので、しんどいときは上司やプロジェクトメンバーと話し合って支えあっています。
豊嶋: やり切った時の達成感を思い描きながら、ワクワク感を持って仕事に取り組む。でも、心が折れそうになった時は、プロジェクトメンバーとの助け合いが大切なのですね。
学生の頃を振り返って
豊嶋: 今までの話をお伺いして、「法務」という専門性に自信を持って仕事をしていると感じました。学生の頃から、明確に法律を仕事にして企業法務として働こうと決めていたのですか?
大久保さん: 元々政治や法律などに興味がありましたが、最初は何となく文系の中で実学の一つである法律に興味を持ち、大学で学んだりインターンシップを経験したりするうちに段々と法律の専門性を活かして仕事をしたいと考えるようになったという感じですね。
豊嶋:「法律が実学」というのはどういうことでしょうか?
大久保さん: 世の中で起こっている問題を法律というツールを使って解決できる場合があるということです。そして法律はビジネスにも深く関わっています。
ただ、私の場合は、法律という一つのことを突き詰めるというよりは、法務の知見をベースにしつつも、色んなことを学んで、様々なことを経験してみたいと思ったので、企業法務を志望しました。
そして、実際に働いてみて、人事や経理、営業、情報システムなど色々な部門の人がいて、それぞれの専門性や強みがあって、それぞれの強みや弱みを補完しあってみんなで進めていくことに面白さを感じています。
豊嶋: 昔からチームで取り組みたいという思いがあったのでしょうか?
大久保さん: 「みんなで何かする」ということには興味があって、専門性を生かしつつ、何かチームで取り組んでいきたいと思っていました。
社会人留学について
豊嶋: 大久保さんは働いてから、社費留学制度で米国シカゴのロースクールに留学されたとお伺いしました。社会人留学で何を学ばれましたか?
大久保さん:法務の分野では米国が世界に大きな影響を与えているので、米国の法律を学びました。その中でもビジネスに関わる法律やM&Aなどの講義は特に力をいれて学習しましたし、ビジネススクール(MBA)による講義も少し受講しましたね。これらの学習を通じてより専門性を高めることにつながったと思いますし、それに加えて、語学力・国際コミュニケーション力の醸成や、グローバルなネットワークの構築、大手法律事務所での研修経験、さらには米国や各国友人の母国の文化にも触れることもでき、本当に貴重な経験をさせて頂いたと思っています。
私のように何年か実務を経験してからきている学生もたくさんいて、世界中から集まるメンバーと実務での経験や考えを共有し合うのは楽しかったですし、社会人留学もおすすめですね。
豊嶋: 大久保さんにお話を伺い、法務の仕事を知り、「働く」を知ることができました。ありがとうございました!
豊嶋が感じたこと
大久保さんは「法務」という専門性を持って、自分らしく働く方でした。
「企業法務」は法律をビジネスの中で活用していく仕事であり、私の中で「法律は実学」というイメージがなかったので衝撃を受けました。会社のビジネスの先頭に立って働くことができる仕事だと思いました。
そして、自分自身や仲間も「自分らしく」、専門性を持ってチームとして働くことの大切さを感じました。日々の生活でも、「自分らしさ」を大切にしていきたいと思いました。
法務について全く知らなかったけど、働いている方の話を聞くと、その仕事ならではの魅力を知り、視野を広げることができました。まだ調べたことのない仕事について知ると自分に合う仕事が発見できるかも知れませんね。
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この方にお話を聞きました!
【パナソニックの人】事業責任者を参謀役として支え、経営に貢献したい。
インタビューした内定者編集部員