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家のスマート化を進めて、快適にくらせるお手伝いがしたい。

「カメラって、どういうからくりで写るんだろう?」「エアコンって何で冷えるんだろう?」子どもの頃から何かと好奇心旺盛だった大橋由暉。親が所有していたパソコンを使っては、インターネットでもののしくみを調べることが大好きだった。その延長で大学も工学部へ進学。当時、世間で話題になりはじめたAR(拡張現実)やVR(仮想現実)とは一体どんなものだろうという興味から、その研究ができる学科を専攻した。「研究は、思いついたことを実際にプログラミングして動かしてみることの繰り返しで、たのしみながら技術を身に付けられました」。

就職活動では、大学で専攻したARやVRを活かした職種を特に意識したわけではなかった。インターネットやスマホが普及して、社会がどんどんデジタル化していくなか、これからは家のスマート化や家電のIoT化の時代が来るだろうと思い、その分野に携われる職種を中心に就職活動をした。

家のスマート化・家電のIoT化を考えた時、大橋の頭に真っ先に浮かんだ企業は、パナソニックだった。大橋の住んでいた地元はパナソニックの本社がある地域。昔から慣れ親しんだ企業を調べていくうちに、いろいろなことが分かってきた。国内ではNo.1と言えるほど家電のラインアップが豊富で、それぞれのシェア率は高水準を維持していること。住宅設備分野にも力を注いでいて、パナソニック ホームズもパナソニックグループの傘下企業であること。それらが魅力的に思えて、迷うことなくエントリーした。

入社して最初に配属された部署で大橋は、パナソニックのエアコン『エオリア』とスマートスピーカーを連携させるためのサーバの開発プロジェクトに参画した。配属された時にプロジェクトはすでに終盤にさしかかっていた。そこで大橋は検証の自動化を担当した。設計はほとんど完了していて、実装も5~6割はできている。その段階で参画したのだが、大橋は検証対象のシステムの構成や仕様の把握に苦労した。「当時はクラウドの知識はゼロだったので、会議に出てくる用語はさっぱり理解できませんでした。分からないことだらけだったので、仕事の合間を縫ってはひたすら調べて何とか食らいついて、無事に商品化につなげることができました」。

その後、大橋はスマートスピーカーを使ったプッシュ通知システムの試作に携わる。「日本人は欧米の人と比較するとスマートスピーカーに話しかける人が少ないんです。そこでスマートスピーカーの方から、人に話しかけるシステムを試作しました」。

当時、家電のIoT化に特に力を注いでいた洗濯機事業部門を中心にスマートスピーカーに何を喋らせるかというシナリオの検討を重ねた。できあがった試作デモを幹部役員たちの前で披露するなど、普段の開発とは毛色の違う業務も多くこなした。そして、試作デモで得た意見や感想をフィードバックして、最終的にはパナソニックの家電からプッシュ通知を行うサービスとして商用化が決定。洗濯機やテレビ、キッチン家電、エアコン。さまざまな事業部門をまたにかけて、各方面の仕様調整に苦労しながら全体の設計をつくりあげていった。

スマートスピーカーの試作デモを開発していた時とは打って変わって、各家電商品を喋らせるうえで課題を一つひとつ解決していく地道な業務になった。「企画の段階から一貫して携わったサービスがやっと世の中に出て、CMも流れるようになった時、声を出して喜びました。自分の仕事に改めてやりがいを感じました」。

現在、大橋はパナソニックの家電全般の音声プッシュ通知サービスの基盤サーバの開発・運用に携わっている。具体的にはアップデートを目的としたシステム開発を担当している。大手IT企業のクラウドサービスの最新技術を学んで、それをすぐに応用していくフットワークの軽さが求められる一方で、粘り強く検証を重ねる地道な探究心も求められる。「新規サービスとして全社をあげてサポート体制が整っていて、メディアに取りあげられることも多く、一般のお客さまに使ってもらっていることを実感できるところにおもしろみを感じています。設計の大部分を任せてもらっているので、自分で考えたことや判断したことがそのまま商品に反映されると、ワクワクしてたまりませんね」。

大橋は自分の夢をこう語る。「家をまるごとスマート化したいんです。複雑な操作やいかにもっていう操作をしなくても、家電がコントロールできるようになることで家事の手間が省けたらいいなとか、あるいは逆に家電の方から働きかけることで面倒だったり、忘れていたりする家事がサポートできればと考えています。みんなが快適にくらせるお手伝いがしたいですね」。

完全なホームオートメーションの道のりは、まだ先かもしれない。おそらくあと10~20年はかかるだろう。しかし、大橋の情熱をもってすれば、その道のりは決して険しいものではない。着実に家のスマート化の夢は叶えられていくはずだ。

<プロフィール>

大橋 由暉(おおはし よしき)
研究開発
パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社
2018年入社 工学部卒

小学1年の時からサッカーをしていて、冬はスノーボードをたのしむといったアウトドアな一面がある一方、最近は友達と家でボードゲームをすることにもハマっている。購入したボードゲームの種類は数十種類を優に超える。

◆パナソニックグループ採用HP
https://recruit.jpn.panasonic.com/

*所属・内容等は取材当時(2022年8月)のものです。


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