やさしさにふれてみた|#やさしさにふれて スタッフノート03
こんにちは、パナソニックnote編集部です。度々のご案内になりますが、noteコンテスト#やさしさにふれて は12月7日まで開催中です。既に素敵な作品をお寄せくださったみなさま、本当に本当に本当にありがとうございます!
さて、本日はスタッフノートです。
最近、『ソウゾウするやさしい展』事務局メンバーの間では、会議中の誰かの発言や行動について「それ、やさしいね!」という会話が増えてきました。SNSの「いいね!」の感覚ですね。日常の中で”やさしさ”というものについて考える機会が増えたように思います。
やさしさというと、行動、発言、態度など、目に見えないものとして現れることが多いですよね。
そんななか、今日は「ふれることのできる”やさしさ”」についてご紹介します。
あなたは点字を読めますか?
私たちは情報を得るとき、五感をつかいますよね。聴覚、味覚、嗅覚、触覚、そして視覚。すべて均等につかっている方もいれば、どれかを失い、持っている感覚で補いながら生きている方も大勢います。
視力を失った方は、触覚をつかい点字を通して言葉を”読む”。点字は視覚に障がいのある方にとっての「文字」であり、重要な情報源です。
しかし、私を含む晴眼者(せいがんしゃ)には親しみのないもの。見たことはあるけれど、何が書いてあるのかは分からないし、分かろうと思うきっかけもなかなか無い。
使う方だけわかればいいのでは?
確かにそうかも知れません。しかし、点字について考える機会が無いためにその重要性を想像できない人が多いとどうなるでしょう。
今設置されている点字は果たして十分なのか。間違って取り付けられているものは無いか。そんな議論も生まれなくなってしまいます。
目でも指でも読める文字、Braille Neueの発明
2017年からパナソニックが運営している未来をつくる実験区、東京渋谷ヒャクバンチ。そこでは、常識にとらわれない若いエネルギーが集まり、それぞれのビジョンを胸に、100年先の未来を豊かにするための実験を行っています。
その活動の一つとして、発明家の高橋鴻介さんが目でも指でも読める点字「Braille Neue(ブレイルノイエ)」プロジェクトを立ち上げました。
Braille Neueは、墨字と点字を同時に記述することができ、スペースを取ることなく実装できるなど点字の新たな可能性を切り開いています。
例えばこんな手すりにも。
そして何より、晴眼者にも読めることで、点字をぐっと身近に感じさせてくれます。
点字と墨字を組み合わせた新しい文字。それは、実用性の観点だけでなく、「見える人と見えない人をつなぐ」というやさしい試みがカタチになったものとして、大きな価値があると思います。
▼Braille Neueの詳細はこちら
パナソニックセンター東京もやってみた
有明にある私たちのショウルーム、パナソニックセンター東京ではActive Learning Campという展示エリアで点字を活用しています。
中央のツリーの周りにある机。その引き出しを開けると…
点字と墨字が記載されています。
Active Learning Campは展示物を眺めるだけはなく、触ったり動かしたりしながら参加型で学んでいただけるスペースです。多様な価値観や文化を伝える場として、この点字にBraille Neueを実装させていただくことにしました。
それがこちらです!
読める、読めるぞ!
今、この画像を一生懸命眺めてくれた方。
それが、見える人と見えない人をつなごうとする「Braille Neue」のちから。そして、あなたのソウゾウするちからです。
2020年。新しい生活様式への移行もあり、”ふれる”ということの価値観が大いに変わってきています。「Braille Neue」という#やさしさにふれて 、触覚が情報源の一つである方たちが今何に困っているか、想像するきっかけをもらいました。
▼高橋さんにご協力頂いたイベントの様子はこちら
最後に、高橋さんからご提供頂いた「Braille Neue」の一覧表をシェアします!先ほどのパナソニックセンター東京の展示も、この表と照らしながら是非ご一読ください!