「理想のくらし」に答えはないから、みんなで考える場をつくりたい|PASSION vol.5
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「理想のくらし」に答えはないから、みんなで考える場をつくりたい|PASSION vol.5

 何かを成し遂げるのに必要なのは、知識や経験以上に「それを実現したい」という情熱である。 

創業者・松下幸之助がのこした考え方は今日も私たちの指針となっています。連載企画「PASSION」では、「プロジェクト×人」という切り口でパナソニック社員やそこに携わる社外の方々にもお話しを伺い、それぞれが秘めた情熱の源泉を探っていきます。

今回スポットライトをあてるのは10月25日にリリースされたパナソニックの新メディア『q&d』です。編集長である橘 匠実さんにお話を伺い、その“パッション”に迫るとともに、『q&d』創刊への情熱を語っていただきました。

【プロフィール】
橘匠実(たちばな・たくみ)
奈良県出身。横浜国立大学卒業後、パナソニックへ入社。調達・宣伝業務に携わった後、2017年より同社の北米本社に駐在。2019年より現職。一児の父。TEDxKobe 2015-16 スピーチキュレーター。趣味は料理。


「くらし」について読者と対話を重ねるためのメディア

——『q&d』 とはどのようなメディアなんですか?

橘: 『q&d』は、人々が便利さとはまた違った視点で、自分に合った豊かさを考えるとき、よりどころとなる「問い」と「対話」の機会をつくるメディアです。

「いまのくらしは、本当に自分らしいといえるのか?」
「便利さやスペックとは異なる価値観で、 精神的な豊かさを得たい」

そういった思いに、よりどころとなる「問い」をたてたい。その問いを共有し読者のみなさんと対話していきたい。そんな想いでこのメディアを創刊しました。

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——『q&d』を創刊することになったきっかけをお伺いできますか?

橘: 最初は、パナソニックに在籍する人間としての課題感からはじまりました。私が高校生のときには、携帯電話やMDポータブルプレーヤーといった身の回りの製品の多くがパナソニック製。ブランドとしても身近な存在でした。

ただ、現在のパナソニックが展開する製品に、学生など若い方がご自身で購入されるものは、少なくなってきています。若い方たちにとってパナソニックは身近な存在ではなくなってきているのではないか、という危機感がありました。

そこで企業のブランディングを担う、私たちコーポレートブランド部門だからこそできる、若い方たちとのコミュニケーションがあるのでは? と考えたことがきっかけです。

——コンセプトに掲げている「問い」や「対話」は、はじめからテーマとしてあったんでしょうか?

橘: 当初テーマとして掲げていたのは、問いや対話ではなく「くらし」でした。でもくらしについて編集部で議論すればするほど、どんなくらしについて言及すべきかわからなくなってしまって。

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——それは何が理由でわからなくなってしまったんでしょうか?

橘: その理由は、くらし自体が多様化していることにありました。みんなが求める「理想のくらし」はひとつじゃない。「より良いくらしを創造すること」をブランドプロミスに掲げているパナソニックで働く自分たちですら、ぼんやりとしか「理想のくらし」を思い描くことができませんでした。

「理想のくらし」を問うことはとても大事なことですし、パナソニックとしても考えていきたいことに違いありません。であれば「私たちも実は理想のくらしがどういったものかわかりません。でも大事なことだから一緒に考えませんか」と問いかけることこそが、いま重要なんじゃないかと思ったんです。そこで読者と一緒に考えること自体をコンセプトとしたメディアを立ち上げることにしました。

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——だから「問い」に対して、答えではなく「対話」というアプローチをとったんですね。

橘: そうなんです。「question & answer」ではなく、「question & dialogue」で『q&d』というメディア名にした意図もそこにあります。

くらしに関わるトレンドって、年々増えているように感じませんか。そうしたトレンドに関する情報はタイムラインにあふれてくるけれど、その情報に対して自分が深く考えられているか? と問われると、「考えられている」と自信をもって答えられる人は少ないんじゃないかと思うんです。

ほかでもない、私もそのうちの一人です。でも、そうしたトレンドに対して、自分なりの考え方をもっていたいとは感じていて。受け身になるのではなく、良い面も悪い面も理解して、いろんな人と話し合えたらいいのではないか、という私自身の思いも「対話」には含まれています。

—— 一方的な発信ではなく、双方向的な「対話」を選んだ部分におもしろみがありそうですね。

橘: パナソニックにとってもおもしろい実験になったら良いなと思っています。これまでパナソニックでは、ユーザーとコミュニケーションをとる際の主な媒体としてマスメディアを活用してきました。

今はデジタルメディアの台頭により、100人に対して100通りのコミュニケーションがとれる時代です。ターゲットを狭くしぼり、自分たちの考えを深く伝えることができます。

これまでマスメディアを通じて広く伝えることに注力してきたパナソニックが、狭く深く対話していく取り組みに力を注いだらどうなるのか? どんな結果につながるのか? 私自身、楽しみにしています。

くらしを捉え直す、くらしに対する欲求に気づくきっかけづくり

——このメディアを通じた対話の中で、どのようなことを大切にしていきたいですか?

橘: 「一緒に考えていきたい」という姿勢ですね。社会の変化や課題に対して、自分たち自身もどうするべきかわからないけれど、一緒に解いていきましょうという姿勢で行動していくことって、とても大事だと考えています。『q&d』を運営していくにあたっても、そういう姿勢を体現していきたいです。

——どのように考えていくのでしょうか?

橘: メディアの創刊にあたり、編集部内でくらしを「半径5メートル以内で起きていること」と定義し直しました。その定義から、読者と一緒に考えたいくらしにまつわるテーマを整理し、「11の視点」にまとめ上げました。

リリース時はそのうちの1つである「Better relationships」について、「理想の家族ってなんだろう」という特集を立て、記事を制作しています。この一連のプロセスをたどることで、私を含めた編集部メンバーのくらしに対する解像度が上がってくことを感じました。

私たちが記事の制作を通じて経験したくらしをとらえ直す体験を、読者のみなさんにも共有できたら、うれしいです。

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(初回特集:理想の家族ってなんだろう?

——「くらしをとらえなおす」体験を共有するためにこだわった、仕掛けや企画はありますか?

橘: 「11の視点」はまさにその補助線的な役割を担っています。

たとえば、「Well-Aging」。あらためてくらしについて考えるとき、「老い」を含めてとらえる人は、もしかしたら少数派かもしれません。若い方であれば余計に。でも日々歳を重ねることは誰にとっても事実です。だから自分の半径5メートルをくらしと定義するなら、「老い」はたいせつなテーマだと思うんです。

そんなふうに、「こういう方向性も考えてみませんか」「もしかしたら、こういうこともくらしのひとつではないですか」と、いまの自分の時間の使い方や身の回りで起きていることだけじゃなく、メディアを通じていろんな可能性のボールを渡していけたらいいなと思っています。

その上で、読んだその人自身が、それを自分の人生に影響を与えるぐらい大事なものだと捉えたかどうかは、ぜひ教えてもらえたら嬉しいです。

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多様なくらしに寄り添えるように

——読者と体験の共有を重ねて、メディアと読者の間にどんな関係を築いていきたいですか?

橘: お互いの考えを深く共有できる関係になっていきたいですね。対話をたくさん重ねて、読み手の人自身も考えてなかったようなくらしに関する欲求を知れたらな、と。

外からの刺激によって、自分の中にあった欲求や関心に気付くこともあると思うので、『q&d』が読者にとってそういう媒体でありたいですね。ライフステージによっても欲求は変わるので、ふと考えたくなったタイミングで、メディアを訪れてもらえたら幸いです。

——対話を重ねた先でどんなことを実現していきたいか、イメージされていることはありますか?

橘: まず社内でいえば、さまざまなくらしの欲求を満たせるような製品づくりに貢献するところを将来の目標として掲げていきたいです。社内で製品を開発しているメンバーからも、編集部と同様に「一人ひとりのくらしに寄り添うような製品をつくりたい」という思いを感じます。

もちろん、すぐ実現できるものばかりではありませんが。ただそこに対して、たくさんの読者と対話して見えてきたインサイトを共有することで、何か新たな価値づくりのお手伝いができるのではないかと考えています。

社外に対しては、くらしを変えようと実践する人を応援していきたいです。くらしを変えることって決して簡単じゃない。とてもたいへんなことなので、メディアは背中を押すことしかできないかもしれません。

それでも、背中を押し続けていきたいです。その結果、読者にとっての生活を変えるきっかけになれたら嬉しいし、そういった方を応援する具体的な方法についても考えていけたらと思っています。

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▼『q&d』へのアクセスはこちら



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