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【舞台裏のレッツノート】 働く場所も、制度さえも選べる会社をつくりたい。

モバイルワーカーのツールとして長年「どこでも」働く人々をサポートしてきたレッツノートは今年で25周年。「どこでも」だけでなく、「いつでも」「誰とでも」働ける新しいワークスタイル「ハイブリッドワーク」をサポートすることで、これからも日々の仕事を支えます。

「舞台裏のレッツノート」シリーズでは、レッツノート25周年を記念してレッツノートをご愛用いただいている、時代を切り拓くビジネスパーソンにインタビューしていきます。今回は、企業のブランディングを軸に事業を展開し、イメージカラーを黒で統一した「ブラックな企業」というキャッチコピーでも知られるトゥモローゲート株式会社の代表・西崎康平さんに、仕事を楽しむための工夫についてうかがいました。

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西崎康平(にしざき・こうへい)
トゥモローゲート株式会社 代表取締役
福岡生まれ福岡育ち。大学卒業後は人材コンサル企業に入社。2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。世の中の常識に囚われない” オモシロイ会社づくり”を目指し、「ブラックな会社」として遊び心を忘れないさまざまなサービスを提供している。ブランディング、採用サイトの運営等を主軸に画期的な事業を展開。


「オモシロイ会社」をつくることが良い採用につながる

――西崎さんは人材コンサル会社に就職し、その後トゥモローゲートを立ち上げています。会社設立当時、どんなことを考えていたのでしょうか?

西崎: 僕がもともと目指していたのは「オモシロイ会社をつくりたい」ということでした。仕事や働くことに対して、「行きたくない」「つまらない」「上司が嫌だ」などネガティブなイメージを持つ方も多いですが、人生において仕事にかける時間は圧倒的に長いですから、この時間は楽しいほうが良いなと思いました。

そこで、一般的な仕事や働くことのイメージとは180°違う会社を自分でつくろう、と考えたのが起業のきっかけです。ただ当時は、その目標を何で実現できるのかは分かっておらず、会社をつくって最初に決まったのは、「黒(=ブラック)」という会社のカラーだけでした(笑)。

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ブラックを基調にしたトゥモローゲートのオフィス。
卓球台やバーカウンター、滑り台などすべてが黒い。

西崎: 現在のメイン事業は企業のブランディングですが、当初は事業内容も定まっていませんでした。まずは人材コンサル業時代の経験を活かしながら、何でも屋のようなかたちで企業の営業代行や学生向けの就職支援、前職の繋がりで企業の採用支援をしていました。そのなかで、他社との差別化を図るため、Webやグラフィック制作を含め一貫して社内で対応する採用専門の制作会社になったのが、現在につながる最初の変化です。

やはり、すべてを自社でまかなうことで、コストも軽減できますし、スピードも早くなります。また、Webサイトも映像もそれぞれに外注すると、同じメッセージを伝えようと依頼しても、アウトプットに微妙にズレが生じます。それを一括で担当することで、内容のおもしろさも、スピードもコストも、すべてを突き詰められると考えました。一般的な制作物は担当せずに、採用に特化する。その代わり、採用の分野では絶対にオモシロイものをつくる。そういう会社を目指しました。ただ……これには「落とし穴」があったんです。

――落とし穴、ですか?

西崎: もちろん、採用に特化したブランディング企業になることで、実際に内容もオモシロイものになり、スピードもコストも、好評をいただけるようになりました。ユニークな施策を提案できるので、短期的に見ると人が集まりますし、今まで以上に採用数が増えるような施策が実現できました。

ですが、それはあくまで「短期的な成果でしかない」ことが分かってきたんです。いくら外身をおもしろくしても、働くのは採用された方自身で、実際にその仕事がおもしろくなければ、早期の離職につながってしまう――。そんな課題にぶつかりました。

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――なるほど。長期的な視点では、いい出会いにはなっていないじゃないか、と。

西崎: はい。当時の私たちは、いかにキャッチーで、学生が食いつくようなビジュアルをつくっていくかにフォーカスしていましたが、「それでは本質的な課題解決にはならない」と気づき、現在の事業にシフトしました。「良い採用をするには、そもそも良い会社をつくらないといけないよね」と思い至ったからです。また、そうして自分たち自身が壁にぶつかったことで、「トゥモローゲートという会社自体も、よりオモシロクしていこう」とビジョンをつくり直し、新たな社内制度や働き方を導入しました。

実は、レッツノートを導入したのもその一環です。それまではより安いノートパソコンを支給し、できるだけ経費を抑えて、利益を出そうとしていました。ですが、新たなビジョンは「顧客にいい付加価値を提供できれば、利益は上がる」という考え方で、そのためにまずは自分の会社でも一人ひとりの働く環境を整えるべきだ、という考えになりました。そこで、2年ほど前から従業員もレッツノートを選択できるようにしました。

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西崎さんの影響でレッツノートを使いはじめたという方も多いそうです。

――そういった気づきが、現在の西崎さんのスタンスにつながっているんですね。

西崎: 僕は経験則として、人の力が一番発揮される瞬間は、「何かを楽しんでいるとき」だと思っているんです。つまり、自発的に、自分で考えて行動できる組織づくりのためには、「オモシロイ」というキーワードが大切だと考えています。なので、まずは自分たちで「オモシロイ会社づくり」を率先して行い、そのなかでよかったものを、企業ブランディングのノウハウとして顧客に対して提供している、という感覚です。経営者としても、これがいちばん会社の利益につながると考えています。

制度とは、その会社のスタンスを伝えるもの

――福利厚生や働き方に関する制度を導入する際は、どんな考え方で設計されているのでしょうか?

西崎: 会社として福利厚生を一律化するのではなく、「100個ある制度から自分にとっていま必要な10個を選んでもらう」というかたちにできれば、と考えているところです。社員が福利厚生も選べるし、働く場所も選べるし、働き方も選べる――。そんなふうに、いろいろなことを選べる会社づくりをしていきたいと考えています。

――具体的にはどのような制度があるのでしょうか?

西崎: たとえば、「出産お祝い金制度」は、日本が超高齢化社会と言われるなかで、会社としてのスタンスを社員に伝えて、安心して働いてもらえるよう示すための制度です。トゥモローゲートには社員の家族にまつわる制度が多くあり、本人だけでなく家族の誕生日が休日になる「ファミリーバースデー制度」もあります。産休や育休も10年取得が可能です。これは「いつ戻ってきてもいいよ」ということを伝えたい、と思い定めました。

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――「勤務地フリー制度」というものがあるそうですが、これはどういった考え方でできたのでしょうか?

西崎: これは単純に「行きたくない人を、行きたくない場所に行かせたくない」という気持ちからです。働いていると、家族を置いて単身赴任しなければいけないという話をよく聞きますが、これは寂しいですよね。

もちろん、行きたいと望む方は行けばいいですが、そうではないのに行かなければならないという状況は避けたいな、と。そこで、うちではリモートなども活用することで「社員が働きたい場所で働く」体制にしています。メインは大阪の事務所ですが、東京在住の完全リモートで働く社員もいますし、台湾で働く社員もいます。

そもそも、うちは入社時点で働き方を選べるようにしていて、フルフレックスで働くか、定時で働くかを選べます。ベンチャー企業的にバリバリ働きたい社員もいれば、家族との時間を確保しながら働きたいという社員もいますからね。

――個人の環境の変化にあわせた会社づくりをしているんですね。

西崎: また、ほかにも「SNS手当」なども用意しています。これは単純にSNSをはじめた社員に手当を支給する制度です(笑)。社員が増えるほど、一人ひとりとコミュニケーションをする機会は減ってしまいます。その際に、SNSを通じてお互いの考えを知ることはいい方法だと思っています。

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西崎さん自身もYouTubeで積極的に活動しており、
登録者は10万人を突破しました。

――社員の考えを知るための手段として重視されているんですね。

西崎: 実際のところ、今では新規のお客様の8割ぐらいが、SNS経由でトゥモローゲートのことを知ってくださった方だったりもします。そうすると、先方が既に僕らのことを知ってくださっているので、話がスムーズに進みますし、お互いのズレが生じにくくなる利点があります。また、自分たちでつくったプロジェクトを、自分たちでPRできるのも大きいですね。

――社員のみなさんとの仕事上のコミュニケーションはどのように取っているのでしょうか。

西崎: 弊社ではChatworkを使っていて、情報やデータは基本的にGoogleドライブで共有しています。その際にも、レッツノートは役立っていますね。うちはフリーアドレスなので、全員が毎日違うところで作業しています。

ですから、持ち運びにくい、バッテリーが持たないというのは致命的です。その点、レッツノートは軽くていろいろな場所に持って行きやすいし、タフだし、バッテリーも持ちます。これは本当に助かります。あとは、なにより「黒」があることも大事です(笑)。

全社的に導入したのは2年前ですが、僕自身のレッツノート歴は創業と同じです。前職時代に使っている社員がいて、それを何かの機会で使わせてもらい、とにかく「軽い」と思ったのが最初でした。現在は2台目なのですが、1台目は8年間も使いましたね(笑)。本当はまだまだ使えそうでしたが、「流石に元はとった」と思い3年前に買い換えました。

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西崎さんのレッツノートはもちろん黒(ブラック)です。

西崎: プロフェッショナルな感覚が細部から伝わってくるので、レッツノートを使った方って、次に買い替えるときに、これ以外の選択肢がなかなか生まれない気がします。デザインも含めて大まかな部分がずっと変わらないところも好きですね。

本当に愛されるものって、普遍的だと思うので。僕は車も、30年ぐらい前のクラシックミニに乗っていて、「ずっと変わらないもの」がもともと好きなんですよ。もちろん、レッツノートも細かいマイナーチェンジは続けていくと思いますが、「本質的な部分はずっとこのままでいてほしい」と思っています。

つねに変化する時代だからこそ、「選択できる会社」を目指す

――最後になりましたが、西崎さんの働き方を支える言葉や人について教えてください。

西崎: 「好きな人たちと、好きなことをやる」ことは大切にしています。働いていれば、当然、たいへんなことや理不尽なことを経験することもありますよね。ですが、僕らは、極力「自分のポリシーに反することはやらない」ことを大切にしていて、社員にも「もし自分たちのポリシーに合わないなら、いくら高額な仕事でも断ってほしい」と伝えています。長い目で見たときに、それが一番会社の利益になると思うので。

人ですと、うちは個性的なメンバーが多いので、その社員たちでしょうか。うちの場合、欠点もいろいろあるけれども、誰にもないような飛び抜けた長所を持っているメンバーが多い。すべての物事を70点でこなすことよりも、「4教科が赤点でも1教科だけは全国1位」という人たちのいいところを集めて、オモシロイものをつくっていこうとしています。その際、苦手な部分や弱い部分は、誰かが補っていけばいいんですよ。そういう個性が集まって、オモシロイものをつくっていくのがうちの個性だと思っています。

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――「お互いのいいところを認めるだけでなく、足りないところは補いあっていく」というのは、多様性の大切さが説かれる昨今でも重要な考え方のように感じます。

西崎: トゥモローゲートが掲げる「ブラックな会社」という言葉の意味も、まさにそれなんです。それぞれに個性的な色が集まって混ざると「黒になる」ということなので。これからに向けては、より「選択できる会社」を目指したいです。家族ができたり、親の介護が必要になったりと、社員の環境はつねに変化していきます。そのとき、その人の状況に合わせて働き方を選択できる会社にしたいと考えているところです。

ライター/杉山 仁
撮影/山下 拓也

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・レッツノートについて詳しくはこちらをご覧ください


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