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ロボットの最先端技術で、工場省人化に貢献したい。

母親と一緒に行った家電量販店で、幼き日の石原真奈は目を輝かせていた。お店にはいろいろな家電があり、冷蔵庫ひとつとっても扉の開き方が違ったり、異なる機能があったり、眺めているだけでもおもしろい。自分も大人になったら、ワクワクするような家電をつくってみたい。その気持ちが、エンジニアの道を進んだ石原の原点である。

中高生の頃は吹奏楽部、ディベートや観光案内を英語で行うESS部、そして生徒会活動などさまざまな活動をしながらも、モノづくりへの想いは変わらず大学は理工学部へ。おもしろそうだから、と専攻したロボット工学に魅了された。「ロボットには機械や情報プログラミング、回路などいろいろな技術が使われていて、それらを組み合わせてつくるおもしろさがあります。だからこそ幅広い知識を吸収できることも魅力。ひとつのことだけでなく、いろいろなことをやりたい性格の私に向いていました」。

将来は大好きな家電を手掛ける電機メーカーで、ロボット工学の専門性を活かして働きたい。そう思っていた時、パナソニックグループでロボットハンド開発のインターンシップがあり参加したことが入社の決め手になった。「社員の人が高みをめざして技術と向き合い、貪欲にチャレンジしている姿を目の当たりにして、このハイレベルな環境で働きたいと思いました。また会議で私の意見にも耳を傾けてくれて、一人ひとりの意見が尊重される文化も魅力に感じました」。

石原の仕事である生産技術の主な役割は、工場で製品をつくるための設備を設計・開発し、製造の効率や精度を高めていくこと。生産技術を志望した理由は、機構設計やソフトウェア設計など専門分野に分かれておらず、ロボットと同じようにさまざまな技術を扱えることに魅力を感じたから。そしてもうひとつ、叶えたい想いがあった。

「現在の夢でもあるのですが、ロボットの技術をもっと活かした製造設備をつくりたいです。産業用ロボットは今も設備に組み込まれていますが、まだまだ全自動化までは遠く、人の手や目が必要です。将来的にはもっと複雑な作業もできるようにして、効率化や安全性の向上に貢献したいです」。

入社後すぐにモータ製造設備の立ち上げに携わり、検査で使用する画像カメラの組み込みやエラーログ確認アプリの開発を担当した。大学で基礎は学んだものの、足りない知識や技術を学びながらの仕事。入社から1年半で使えるプログラミング言語が3つ増え、苦手だった制御盤の配線作業も以前より自信を持てるようになった。「先輩たちにもたくさんフォローしていただき、できることが増えるほどに仕事のたのしさも増していきました」。

2年目には工場に足を運び、製造担当者へ設備の使用方法の説明や、要望を直接ヒアリングする機会も増えた。「実際に使う人と近い立場でモノづくりができることは、生産技術のおもしろいところだと思います。現場の声を取り入れながら、本当に使いやすい設備を追求できます。また現在担当しているモータはさまざまな製品に使用されるものなので、子どもの頃から好きだった家電づくりにも貢献できているやりがいがあります」。

生産技術の仕事に慣れてきた頃、専門性をさらに磨こうとグループ全体の産学連携プロジェクト「Robotics Hub」に参加した。「Robotics Hub」とは、社内外のロボティクス技術を結集・進化させ、オープンイノベーションでロボティクス開発を導く共創の場。技術力向上のための取り組みとしてチームでロボットコンテストに出場し、石原もメンバーに加わった。コンテストのテーマは、コンビニの商品陳列を行うロボットの技術。石原はバーコードを活用して、商品を認識する機能の実装を担当した。

「バーコードを検出するカメラの精度向上やプログラムの作成・修正など、生産技術の通常業務と並行して作業していたので、当時は非常に多忙でした。でも同僚をはじめ、工場の方々や『Robotics Hub』のメンバーたちも状況を理解してくれて、仕事量を分担するなどサポートしてくれたのでやり抜くことができました」。

コンテストの結果は、準優勝。優勝を逃した悔しさは大きかったが、石原が得たものも大きい。「部署を超えた交流や普段の業務とは違う仕事の仕方を経験し、多くの発見や刺激がありました。新しい知識や技術も得られて、視野が広がったと思います。パナソニックグループにはさまざまな技術のコミュニティがあったり、技術シンポジウムに参加できたり、交流や学びの機会がたくさんあります。これからも新しいことをどんどん吸収して、最先端のロボット技術と生産技術の現場をつなぐ、橋渡し役になっていきたいです」。ロボットの技術を活かした製造設備をつくりたい。その夢に向けて、今できることに挑み続ける石原。ともに高め合える仲間が増え、新たな知識や技術を手に入れるたびに、夢の実現が近づいている。

<プロフィール>

石原 真奈(いしはら まな)
生産技術
パナソニック インダストリー株式会社
2022年入社 理工学研究科卒

まとまった休みには旅行に出かけ、その土地ならではの美味しいものや、美しい景色をたのしんでいる。普段と違う環境でリフレッシュするのが好きだが、技術のことはやっぱり気になり、工場見学などを見つけると参加してしまう。

◆パナソニックグループ採用HP
https://recruit.jpn.panasonic.com/

*所属・内容等は取材当時(2023年8月)のものです。