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"YOUR NORMAL" STORY 2.

YOUR NORMALプロジェクトは、心と体のあり方、ジェンダーロール、関係性など 自分らしい人生を生きるために、性の幅広さの理解と考え方のアップデートに取り組むプロジェクトです。性を考えることへの偏見や障壁について考え、誰もが最も自分らしく自然体でいられる個"性"のもと、それぞれが自分の選択へ自信を持ち生きていくことができる社会の実現のため、企業として商品やサービスの選択肢をユーザーと一緒に模索する活動として取り組んでいます。

このインタビューは、人それぞれ異なる“普通”にふれ、「自分らしさ」を見つけるきっかけとなるよう制作した、ショートドキュメンタリームービー出演者に、自分にとっての"普通"をより深く語っていただいたものです。
(ショートムービー再生)
https://youtu.be/nz8_WMKDbRU

心地のいい自分の体や心のあり方を模索する時、すぐに自分らしい姿を見つけるのは難しいかもしれない。それでも自分らしさを探してしまう私たちは、どうやって毎日向き合う鏡の中の自分と自然体で接していくことができるのか。今回は映像の中で自身の体とポジティブに向き合う姿が印象的だったochibaさんに、自分らしい選択をするようになるまでのヒントをお聞きしました。

-----プロフィール----- 
落葉えりか 
国際開発学を専攻する現役大学生。フィリピンのスラムでの支援活動やヨルダンでのシリア難民の調査に参加。2019年には大学を休学し、デンマークのフォルケホイスコーレでファッションデザインを学ぶ。2020年8月より、Creative Studio REINGにてインターンとして働く。ファッションと旅行が好き。

ーこんにちは!今日は、よろしくお願いします。今回、映像の中でご自身の体と向き合うシーンがありましたが、出演してみて意識したことはありますか?

別に隠しているわけではないのですが、カメラに向かって自分の脇を見せたことはなかったのでどうやって見せたらいいのかを考えました。脇フェチという言葉があったり、過去にAV女優で脇毛を生やしており有名だった方がいたりしたからこそ、個人的には性的には映りたくないという思いがあって。そんななかで、どうやって自分の普段の姿で、ハッピーな感じを出せるのかは難しかったです。実際はそんなことを考える余裕もなく撮影が進んだのですが、自分が心配していたようには写っていなくてよかったです。たまにモデルとして活動しているのですが、その時は求められるキャラクターや雰囲気を考えて映るんです。演劇部だったし、誰かになりきる方がやりやすいから。でも今回は「ありのままの自分」っていうテーマ的にも自然な姿を見せることが大事だと思ったので、あれはありのままのochibaだったと思います。

ー普段の生活の中で「自分らしくいられない」と感じる瞬間はありますか?

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やっぱり自分のコンプレックスに関しては全部オープンなわけではなくて、いつかオープンにしたいと思うもののまだかなあと思ったりします。私生まれつきの病気で右足と左足の太さが違うんです。それでいじめられることはなかったけど、小さい時からコンプレックスに感じていて、指摘されないようにすごく隠していました。だからこそ、人一倍他人の目を気にするタイプでした。小さい時に言われたことって、すごく残るんですよね。友達が悪気なく「なんで違うの?」って聞いてきた時や、駅で階段を登っている時に後ろのカップルが「前の子、右と左の足違くない?」って話してた時の記憶が鮮明に残っていて「自分は人と違うんだ」ってすごく意識した瞬間でした。短いスカートを履きたいけどいまだに履けなかったり…日々闘ってます。

ー当時と今でその意識の変化を感じることはありますか?

インターンをしているREINGでは、プロダクトのひとつとしてUnderwearを扱っているのですが、そこに入ってからは下着で撮影をするときなどに足を隠さなくなりましたね。脇毛や体毛も、高校生くらいまでは社会の美の価値観をずっしり受けて育ってきているのでちゃんと剃ったりダイエットもやっていたけど、大学生になって「違ってもいい」っていう価値観に触れてからはあまり気にしなくなりました。フェミニズムやGUCCIがイタリアの人工妊娠中絶制限の合法化に異議を唱えた「My Body My Choice」などの考え方を知ったのが、一番大きいです。そこから生まれた表現について友達と「めっちゃイケてない?」ってシェアしたり、大学でジェンダーの授業を受けたのをきっかけに友達にフェミニズムの本を教えてもらったり、デンマークに留学して女の子がブラジャーをつけない環境に身を置いたりして意識は徐々に変わっていったと思います。私、夜に音楽を聴きながらお散歩をするのが大好きだったんですけど、東京に出てから怖い思いをしたことが何度かあって自分の好きなことができなくなっちゃったんです。でも今は社会的なアクションを起こしている女性が多くて、「うちらが世界を変えるんだ!」って女性としてエンパワーされる機会が増えてる感じがします。長い時間がかかるけれど、フェミニズムをはじめ、そういった価値観もあると広めていくことが私たちにできることなのかなと思います。

ーochibaさんが自分らしくいるために大切にしていることはなんですか?

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私が一番大切にしたいと思うのは、心の健康。それは自分と周りの人が楽な状態だから、自分らしくあろうとするあまりすごいストレスを抱えてしまうのであればそんなに頑張らなくていいんじゃないかなと思っています。私はすごく自分と話すようにしていて、しんどいなと思った時には「どうしたん、大丈夫?」って声に出しますし、自分のもやもやをちゃんと聞くことを意識しています。脇毛を剃ってた時も「嫌だけど剃ってない?」みたいなもやもやを聞いて、「本当に嫌なんだったらやめよ」って感じでやめました。

ボディポジティビティも体重を気にしなくていいってことだけではなくて、ありのままの体を受け入れよう・愛そうってことが目的のムーブメント。私も自分の足のコンプレックスを愛するまでは難しいけれど、徐々に受け入れてそれなりに可愛がってはいるからそれでいいのかな。でもいつかちゃんとオープンにして自分の体や思いを使って誰かをエンパワーできたらいいなと思っています。

ーochibaさんが考える「普通」ってどんなものですか?

私にとっての普通は、自分が生きやすい・心地いい状態のことを指すと思います。いろいろ考えてきましたが、自分の心と体を大切にしたいからそれが心地いいと感じるものが「普通」かなあ。例えば私の部屋って散らかっているのですが自分にとってはそれが日常の普通なことで、しかも心地いいんです。でも側から見たら「やばいよ」って思われるかもしれない。私の部屋の普通が他の人にとっては違うように、脇毛の普通も体毛の普通も体型の普通もひとつひとつの事象に落とすとそれぞれ違う。でも自分が心地いいと思える状態っていう大きな点では共通している気がしますね。

高校生の頃の自分は社会の当たり前や社会の大多数の人がしてるあるべき姿って意味で「普通」という言葉を使っていたのでめちゃくちゃ価値観が変わったと思います。

ーありのままの自分でいることが難しいと感じる人もいると思います。そんな人たちにひとこといただけますか?

ochiba:自分もまだオープンにしていないことがあるけど、今の社会の当たり前や美の基準で当たり前になっているけれど本当はやりたくないっていう自分の声は大きくなっていく。私の場合はそれが脇毛を処理するかしないかだったけど、何かをやめるときは「えいっ」って意志を固めてやめるしかないと思う(笑)。でも無理だと思ったら友達でも、家族でも、パートナーでも、おばあちゃんとかでもいいから、誰かを誘ってみたらいいと思います。私はよく友達に「一緒にやろうよ」って言うんですよ。結構な確率で「無理っ」て言われるけど、たまに「いいよ」って言ってくれる人がいて、その人の力を借りながら身軽に楽になっていく。とあるイベントで社会の美の基準が決められていることをどう思うかについて議論したことがあるのですが、自分の体をありのまま受け入れようとしている人って他人の体もありのまま肯定してくれる人が多いんだなと思ったのを覚えています。そういう人たちがいる場所にいると、今まで自分が気にしていたいろんなことがどうでもよくなる。そういう意味でお互い楽になれる仲間はどんどん増やしていけたらいいですね。

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Your Normal 個"性"をはぐくむ https://panasonic.co.jp/design/flf/works/yournormal/
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