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「人」や「環境」をつくることで、日本の「モノづくり」を盛り上げたい。

日本をもっと元気にしたい。それが、佐和孝嘉がパナソニックに入社した時の想いである。中学生の頃から機械や実験が好きで、大学で半導体、大学院では原子や分子の変化を研究。学びを深めるなかで、日本のモノづくりの力が世界に追い越され、スピード感も落ちていると感じるようになった。

この現状をどうにかし、日本の景気をよくすることに貢献したい。いつしかそんな想いが芽生えた。そのために自分に何ができるのか。政治家の道も考えたこともあった。でもやっぱり技術の世界が好きで、モノづくりに携わり、製造業界を盛り上げたい。その想いからメーカーへの就職を志望。

パナソニックを選んだきっかけは、子どもの頃から製品に慣れ親しんできたことだった。「祖父母や両親がパナソニックを好きで、家にいくつも製品があったんです。父親は松下幸之助さんの本をよく読んでいましたし、いい会社だという印象を持っていました」。

品質管理の仕事について、入社前は深く知らなかった。それでも志望したのは、品質管理がモノづくりにおける重要な役割だと思ったから。「品質管理はモノづくりにおけるあらゆる仕事に関われるので、そこを担える人になりたいと思いました」。さらに、人材育成コースの中で3年間で幅広い業務や製品に携わりながら、成長していけることにも魅力を感じた。

入社後、配属前の新入社員研修で忘れられない経験をする。パナソニックの「街のでんきやさん」で、接客や配達の実習を受けた時だった。初日にエアコンの設置作業に同行した直後、社員から「佐和くん、次はひとりで行ってきて」と言われた。到底ひとりでできる作業ではなく驚いたが、佐和にわずかに残っていた学生気分を見抜き、敢えて厳しい言葉をかけてくれたのだった。

「そんな覚悟じゃ駄目だ、パナソニックの代表として現場に立っているのだから、1回見たものは全部覚えるくらい本気で作業をやらないと」と本気で叱ってくれた。それ以来さらに真剣に実習に取り組むと、社員たちも全力で応え、親身になって仕事を教えてくれた。また、現場の最前線で汗まみれになりながら「お客様大事」を実践する背中からも多くを学んだ。
「本当に熱い想いで指導していただき、パナソニックグループの一員として仕事と向き合うマインドを学べたことは、宝物としてずっと生き続けています」。

その後3年間、品質管理として幅広い仕事を担当。工程不良削減、信頼性試験、受入出荷検査、サプライヤ管理、品質管理システム対応などの業務に携わり、経験を深めた。「品質管理の仕事を一通り学ぶことができ、製品の不良を減らす達成感や、質の高い製品を市場に届けるやりがいの大きさも知りました。また、大阪、北海道、富山と3拠点を経験して職場風土や文化の違いを感じ、それぞれの土地の魅力も知ることができて充実した日々でした」。

そして入社4年目、転機となる仕事に就く。品質管理の部署に所属しながら、働き方・風土改革のプロジェクトに参加したのだ。当時所属していた工場で職場風土の向上が求められており、30名ほどのメンバーが集められプロジェクトが立ち上がった。佐和は品質管理として多くの技術者と接してきた経験から、一人ひとりのモチベーションが、アウトプットの質やスピードに大きな影響を与えることを痛感していた。そこで最年少ながらプロジェクトリーダーに立候補し、チームが一丸となれるように尽力。組織の課題点を見える化し、改善のために全員で助け合う風土を醸成した結果、モチベーションと生産性の向上を実現した。「働き方や風土を変えることで、みんながより笑顔になっていく。そのやりがいの大きさを知り『ものをつくる前に、人をつくる』という創業者の松下幸之助の言葉が、体の芯から理解できました」。

現在は所属している品質センターにおいて、生産性向上に取り組んでいる。「日本のモノづくりを通じて、世界中のあらゆる生命に笑顔を届け続けたい」。これが今の佐和の夢である。入社当初から芯は変わらないが、日本だけでなく、世界中そして地球へと想いが広がった。

「あらゆる生命に笑顔を届けるためには、まず目の前の人たちを笑顔にしないといけません。だからまずは全従業員が最大効率で、最高のアウトプットを出せる環境をつくる。そしてパナソニックグループを世界一の企業に成長させ、ほかの企業を牽引していけるようにしていきたいです」。モノづくりがしたくて入社した佐和。いつしかそれは「人づくり」「環境づくり」に変わっていった。しかし、めざすゴールは変わることなく、着実に前進を続けている。

<プロフィール>

佐和 孝嘉(さわ たかよし)
品質管理
パナソニック インダストリー株式会社
2019年入社 自然科学研究科卒

現在妻が妊娠中なので、その日の体調と相談しながらリモートワークやフレックス出社に切り替えている。フレキシブルな勤務形態や育児休暇など、働きやすい環境が整っているからこそやりたい仕事に挑戦できることを実感している。

◆パナソニックグループ採用HP
https://recruit.jpn.panasonic.com/

*所属・内容等は取材当時(2023年8月)のものです。