体験が、自分の自信や糧になる!キッズフェス・レポート第2弾
こんにちは、パナソニックnote編集部です。
2024年夏、パナソニックセンター東京で大々的に開催し小学生を中心に約6,000人以上が参加した「子どものもっと!を引き出す3日間!キッズフェス」。8月2日(金)~4(日)のイベントの様子をご紹介するレポートの第2回は、LEDを使って実際に自分たちでものづくりを体験できるワークショップを2つ紹介します。
その名も「キャンプ・防災に最適!LEDネックライトを作ろう」と「環境にやさしいLEDランタンを作ろう」。どちらも企画運営側が小学校などを対象に工場見学や出前教室を長く続けている人気の体験教室です。
長く活動を続けてきた歴史の中で起こった、思いがけない嬉しいエピソードも含めて、企画に携わる社員2名がその想いについて語りあいます!
めったにないアナログの“ものづくり”にチャレンジ
まず、パナソニック エナジー㈱エナジーデバイス事業部からは、独自のキットを使いLEDネックライトを組み立てる「キャンプ・防災に最適!LEDネックライトを作ろう」は、1966年に小学生を対象とした「工場見学」から始まり、2024年3月末で述べ122万人が参加した歴史ある人気教室。今回、「LEDネックライト教室」と「電池教室」の2種類の教室を2日間で開催し、述べLED ネックライト教室は276名、電池教室は372名の合計648人が参加されました。
首にかけて両手が自由に使え、日常・非常用・防災用としても活躍する「LEDネックライト」。授業では、ただつくるだけではなくあかりの進化やLEDの特長や実験の他、防災・備災についてもしっかり学びました。
会場内には、市販されているカラフルなLEDネックライトやスワロフスキーでデコレーションしたおしゃれなLEDネックライトなども展示。その他、国内外の電池や防災関連商品の展示もたっぷり。元旦に発生した能登半島地震や南海トラフ地震臨時情報や台風10号など、自然災害に意識が向いている今だからこそ、防災へ関心を「自分事」としてさらに高めてもらいたいという目的です。結果、多くの参加者に関心を持って頂き、イベント後にはステージにご家族が押し寄せ体験や質問をしていました。
当日、配布したテキスト『電池ものしりBook』には、電池の歴史や安全な使い方などの知識だけではなく、”もしもの備え”についての情報も入っていて、家に帰ってからじっくり学習やご家庭の防犯対策の見直しをして頂けます。
通常は、小学校3年生以上が対象ですが、今回は、親御さんと一緒にという条件で、2年生の子どもたちも参加可能に。小さなパーツの難関も、親御さんと一緒に協力しながら一生懸命組み立てました。最後に行った点灯式では、会場を真っ暗にして、手づくりしたLEDネックライトを一斉に点灯した時の子供たちの笑顔が印象的でした。
続いて、パナソニック(株)エレクトリックワークス社からは、1つの体験教室「環境にやさしいLEDランタンを作ろう」の会場入り口には、手回しで発電を体験できるコーナーを設置。手動で発電機を回し、電気を作り電車を走らせます。「ほらほら、もっともっと!」と元気な声や、「がんばりすぎて、くらくらしちゃう」と楽しそうに笑う声も聞こえてきます。子どもたちの初めての“発電”体験で電気を作る大変さ、大切さを実感して頂きました。
てづくりLEDランタンの授業も、最初は、あかりについての学びからスタート。例えば、あかりのない大昔の生活や、照明の役割など。LEDが1995年に生まれて、省エネ化が進み、豊かなくらしができるようになってきたことを、講師が子どもたちにわかりやすく伝えます。
実際の組み立ては、30分間。とはいえ29もの行程があります。最後にちゃんとランタンが点灯するかは組み立てしだい。不具合があると、つかない場合もあるので、子どもたちも真剣です。はじめて工具、ドライバーを触れる子どもたちもいます。
親御さんとも協力しながらようやく完成! 最後の点灯チェックは会場を真っ暗にして、参加者全員が舞台に集まっての点灯式。「うわぁ~」と嬉しそうな声があちこちで聞こえてきました。
親子のコミュニケーションも充実させる機会へ
― 現在の活動について、その内容や始まった時期や歴史などについて教えてください。
末次:当初、地域社会貢献やファン作りという目的から始まり、現在は”次世代を担う子どもたちの学びと成長を応援”との思いより活動をしています。また、「科学の普及や次世代育成」として、電池の歴史や種類、正しい使い方などの啓発を強化してきました。
最初は、1966年に理科や社会科、環境学習などの学校教育の発展プログラムとして『工場見学』からスタート。1994年には、独自開発した『手づくり電池教室』を加えカリキュラム化。
2つ目の教室として、1995年より学校へ出向き授業を行う『出張電池教室』。さらにより多くの子どもたちに体験していただきたいとの思いより、2002年『オンライン電池教室』も始め、現在3種類の教室を開催しています。
これらの活動以外に、「東日本大震災後、何か支援活動が出来ないか?」との思いから、『LEDネックライト教室』や『ソーラーランプ教室』など新しいプログラムも開発し、宮城県石巻市の小学校での教室をかわきりに各地で開催してきました。震災の被害にあわれた子どもたちに体験を通じて喜んでもらい笑顔で過ごせる機会を届けられないかという想いで開催地域を拡げ、理科学習としてご好評いただいています。さらに、2008年からは、学校からの要望もあり、働く人の声を伝える『キャリア教育』のお手伝いもしています。
石川:私たちの活動の最初は、1968年に消費者保護基本法が公布された頃です。消費者の皆さんに商品の使い方を正しく理解していただくことが目的でした。1997年には消費者・サービス推進部が発足して、本格的な消費者関連渉外活動が始まります。まず、全国8拠点に担当者を設置して教育に尽力をしたのが大きな前進でした。
その後、2006年に学習指導要領が改訂され、2009年に出前授業がはじまり2010年には全国展開になりました。私たちの事業では、ここが小学生中学生を対象になった最初ですね。より興味関心を子どもたちにもってもらおうと、工作などものづくりの“体験”を通して学ぶ形になったのは2014年からです。
― 現在の活動を企画される際どのような思いで実施されていますか?
石川:これからの社会は、環境・地球破壊や温暖化の可能性を秘めています。今の私たちの課題は現状維持ですが、子どもたちはさらに一歩先、例えばエネルギーをどう作るかなどが重要になります。ただ知識を得るだけではなく、そうした未来に意識を向けて、もう1つ上のステージ、自分たちで考えるというきっかけを提供したいと取り組んでいます。
末次:電池やライトは、子どもから大人まで幅広く日常生活で使われ、小学3年生から理科や社会科で学ぶ身近な商品です。いかに賢く安全に使っていただき、日々の生活に役立ててもらえるかという想いで授業をしています。
今年は、年初よりさまざま自然災害が発生しており、今回のイベントではいつも以上に“防災”という視点に注力しました。ご家族が安心安全な時間を過ごせるよう、ご家庭のもしもの備えを見直すきっかけとしてお役立ていただければと工夫しました。文部科学省が告示する学習指導要領も変化し、教科書も改訂されており、変化に合わせて体験教室を進化させながら学校のプログラムの一助としてお役立ていただける授業を目指しています。
石川:最近は、親子のコミュニケーションも大事にしていますね。親子で一緒に夢中になる体験はなかなか少ないと感じているからです。教室でも、子どもたちが上手くできないところを、私たち講師ももちろん手伝いますが、できるだけ親御さんと一緒に協力して作っていけるように、あえて口出ししすぎないよう心がけています。
末次:同感です。親子で一緒に達成感を味わってもらえたり、「お父さん、お母さんってすごいな」と子どもたちが親御さんを尊敬したり、親御さんが子どもたちの成長を発見したりするきっかけになればと思っています。また、親御さんが参加できなかった子どもたちには、「今日、勉強・体験した事を親御さんに紹介してあげてね!」と伝え、家族のコミュニケーションが拡がることを私も大切にしたいと考えています。授業後の感想文では「よく頑張ったね!とほめてもらえてうれしかった」という感想を多く頂き、こちらまで嬉しくなり、パワーを分けて頂いています。
体験教室から、パナソニックの次世代が誕生!
― 大勢の子どもたちと触れあってきて、嬉しかったエピソードなどありますか。
末次:教室後、先生からお聞きした話ですが、勉強はちょっと苦手だけどものづくりは好きという児童が困っているお友達のお手伝いを率先しイキイキと楽しく参加してくれていた話や、不登校だった児童がクラスのみんなと一緒になって参加してくれていた話、クラスになじめない児童が別の部屋からオンラインで参加してくれたという話、支援学級の児童も一生懸命作っていました話など、沢山の素敵な報告を頂き本当に嬉しかったです。
石川:すごくわかります。子どもたちにとって非常に大きな経験になるんですね。私も嬉しかったのは、社内の若手社員から「小学生の時に教室に参加した」「あの時に作ったものは、まだ実家にあります」などの話を聞くときですね。非常に喜んでもらえたのかなと実感します。社内に何人かいますよ。成長してパナソニックを就職先として選んだということは、やはりはじめての体験のインパクトが強かったのだと感じますね。
末次:当社にもいます!前乾電池工場長も工場見学の参加経験者でした。他にも、以前工場見学時にプレゼントしていたアルカリ乾電池の形をした貯金箱を「まだ大切に持っています」、「使うのは勿体ないから部屋に飾っています」といった声や、「親子二世代で工場見学に参加しました」などさまざまな声を頂いています。卒業文集に書かれたたエピソードの取材に来て頂き、テレビ放送された事もあったりで、輪が拡がっているんだなと実感しました。
子どもたちと“一緒に”未来をつくっていきたい
― 2025年大阪・関西万博で、子どもたちにどんな体験をしてほしいですか。
石川:大阪万博では“環境”というテーマが大きく打ち出されていますので、環境というキーワードに即した何か、世界中の子どもたちの記憶に残るようなものや、より良い未来を作るために“発想して考える力”を子どもたちが得られるといいなと思っています。
末次:当社の乾電池工場が、万博会場から程近い貝塚市の二色の浜にあります。世界一長もちするアルカリ乾電池としてギネスに登録されているEVOLTA NEOを含むアルカリ乾電池を作っています。二色の浜工場は、新時代のモノづくりの生産体制を導入し、環境調和のトップランナーとして工場からのCO₂排出実質ゼロを実現しています。万が一の災害時にもすぐに商品をお届けできるよう、日夜さまざまな研究開発をしながら生産している様子をぜひご覧いただきたいと思います。
― パナソニックグループ全体の子ども向けの活動について、今後どのように考えていらっしゃいますか。
末次:今回のキッズフェスのように、パナソニックセンター東京が子どもたちに向けた活動の発信基地となって頂き、今後もこのようなイベントが継続できるといいですね。そして、他の教室とも「One Panasonic」としてコラボできる機会があれば企画側の私自身もありがたくパナソニックとしての広がりも出てくると思います。子どもたちにとっても、学校外で学んだことが自分の自信や糧になって、科学をはじめ何かに興味を持ち次のステップや夢につながり、将来、パナソニックで働いてみたいなと思ってもらえると嬉しいですね。(実際に、「先生みたいな仕事をしたい。」「パナソニックに努めたい。」と感想文に書いてくれていた児童もいました。)
石川:私も賛成です。パナソニックグループ全体として次世代の子どもたちに「未来のために私たちと一緒にやりませんか?」とこれからも最大のアピールを続けてほしいです。実は、私たち自身もすでに全国約1800ある市町村にドアノックし、こうした活動のアピールをはじめています。子どもたち、そして地域と一緒になって環境問題を打破する、クリアしていく取り組みにしていきたいですね。
末次:そうですね。パナソニックの創業者である松下幸之助の言葉に「物をつくる前に人をつくる」があります。私たちもその理念を胸に、社員だけではなく、次世代を担う子どもたちの今後の一歩や未来へ向け、教室を通じて支援していけると嬉しいです。
▼パナソニック グループ公式万博サイト
https://holdings.panasonic/jp/corporate/expo2025.html
▼パナソニック グループ万博パビリオン「ノモの国」特設サイト
https://the-land-of-nomo.panasonic/