個人の挑戦を 組織の変化につなげる。――パナソニックが考える新しい働き方
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個人の挑戦を 組織の変化につなげる。――パナソニックが考える新しい働き方

こんにちは、「ソウゾウノート」編集部です。今回は、個人の熱意にこたえようとするパナソニックの新しい人事制度についてご紹介します。

「社外留職」で、"イノベーション推進者"に。

社員一人ひとりが持てる力を最大限発揮することは、組織を強くし、世の中に役に立つことへとつながっていく。そう考えるパナソニックは、「物をつくる前に人をつくる」という言葉があるくらい、人材育成に重きをおいています。
人材育成のポイントは、一時的な効率化ではなく、自己成長と会社の発展のサイクルを実現するところにあります。そんな「働きがい改革」の一歩として生まれたのが「社外留職」と「社内複業」です。

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環境変化に対応する力や、既成概念にとらわれない発想力、自分の能力を最大限に発揮して取り組む機会は、自己成長できる絶好のチャンスです。

「社内複業」は今所属する部署に身を置きながら、社内の新しいフィールドを経験することができます。「今の仕事と直接には関係ないが、実は新商品の企画開発にもチャレンジしてみたかった」といった密かな希望をオープンにしチャレンジできる制度です。

「社外留職」制度では、1年間という期間限定で別の環境に身を置くことで、イノベーションを起こせる人材として成長し戻ってきてもらうことを期待しています。個人の成長はもちろん、留職経験者が組織をパワーアップしてくれる可能性を秘めた画期的な仕組みです。

今回の記事では、さまざまな立場でこの「社外留職」を経験したメンバーの声を交えながら、パナソニックの多様な働き方について、ご紹介したいと思います。「新しい働き方」のひとつとして、何かヒントになれば幸いです。

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留職制度が始まって早3年。累計11人の社員がこの制度を使って社外に飛び出していきました。ここからは、2021年4月からベンチャー企業/NPO法人への留職をスタートさせた第4期生、オートモーティブ社(以下、AM社)の2名の社員の体験談をみていきましょう。

現職に直結してないからこそ、広がる世界がある

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―――なぜ留職に応募しようと思ったのですか?

松井: 入社4年目でずっとカーナビのソフト開発を担当してきました。今の業務は細分化されているため、横のつながりが希薄になりがちです。コミュニケーションを積極的にとることで職場も活性化できると思っています。そんなコミュニケーション・スキルを学びたい、商品企画にも携わっていきたいという思いから、30歳になることをきっかけに、ベンチャーで企画の立案から実行までを学ぼうと応募しました。

―――留職先は、どんな視点で選びましたか?

松井: 留職先は「放課後NPOアフタースクール」という団体で、外部の会社と連携し子育てや教育に関するプログラムを企画・開発し、小学生に届けるチームに所属しています。企画とプロジェクト・マネージャーを担当できるということで、このNPOを選びました。子どもが好きで教育にも興味があったこと、現在の仕事とはまったく関係ありませんが、その方が刺激も多いだろうし勉強になると思いました。

―――どんなことをパナソニックに持ち帰ってきたいですか?

松井: 他の組織と共創を重ね、コミュニケーション・マネジメント術を高めていきたいです。コミュニケーションを図ることで、プロジェクトもスムーズにいくようになると感じています。

あとは、カーナビの先行開発、人間と車がこの先もうまくつながっていくための製品企画をやっていきたいですね。モノとサービスの開発が、企業としての競争力を高めていくと思っています。

自分から、パナソニックの看板をはずしてみたかった

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―――留職に応募しようと思った理由は?

鍋嶋: 開発に必要な技術はあっても、それを活かす事業が生み出せていないことが、所属している組織(開発本部全体)の課題だと感じていました。そこで留職に出て、ベンチャー企業ならではの事業立ち上げ、そのスピード感を経験してみたかった。また、パナソニックでしか働いた経験がないため、パナソニックの看板なしで何ができるかを客観的に知りたかったからです。

―――留職先は、どんなベンチャーですか?

鍋嶋: スマホで撮影した動画や写真を実家のテレビに直接送信できる「まごチャンネル」を開発・販売しているベンチャー企業の株式会社チカクです。ここを選んだのは、これまでパナソニックで学んだハード開発の経験を活かしながら、新規のサービスや事業立ち上げが経験できること。また、エンドユーザーの反応を感じてみたかったことも大きな要因です。

―――留職の経験を、パナソニックでどう活かしたいですか?

鍋嶋: 開発部門でも常々あげられている、「技術をどうすればマネタイズできるか」という課題に、ここで得られる事業化の経験を活かしたいと考えています。パナソニックでは「これをやって意味があるの?」というネガな声をよく聞きます。ベンチャーが大切している"行動すればなんとかなる"というマインドを示し、みんなで考え発信できる組織風土を育てたい。言われたものをつくるだけでなく、逆にメーカーに売り込んでいけるような組織になっていけたら良いですね。

留職に応募する際は、上司からの承認が必要になります。実際に自分の想いを組織の中で実現させるために2人が意識したこととはなんでしょうか。

松井さんは「なぜ留職がしたいのか、自分のWILLを明確にした結果、上司からすぐに頑張って行ってこいと言われた」そうです。鍋嶋さんは「留職に行くことで、こんな成長ができると伝えると、面白そうと賛成してもらえた」とのこと。話す前からムリだと決めつけるのでなく、少しの勇気を持って踏み出せばわかってもらえる、と留職を考える社員に向けエールを送りました。

一人の経験で、組織は変わる

実際にメンバーを送りだす側には、この制度はどのように映るのでしょう。AM社開発本部の本部長・水山さんにお話しをうかがいました。

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水山: まったく知らない人の中へ、一人で飛び込む。大変でしょうが、それだけでも良い経験になるだろうし、成長にもつながると思います。私も29歳でパナソニックに入社し、いくつもの事業部を経験しました。人間関係がない中で、信頼関係を一から築いていく。持っているものをすべて駆使して組織へ貢献することで、メンバーに認められていく。その繰り返しでした。でも、かけがえのない経験ができました。

松井さんも、鍋嶋さんも、パナソニックで鍛えられています。留職先で教えてもらうという受け身の姿勢でなく、自分の持っているスキルで、どうやったらその会社・団体に貢献できるか、を考えてほしい。そして、留職先のカルチャーを持って帰ってきてもらい、組織を変える起爆剤になってもらいたいです。

送り出す側としては、お二人が留職での知見を持ち帰り元の職場を変えようと動く時に積極的にサポートしていきます。一人の経験くらいでは組織は変わらない、なんて思わず、全力で協力していくつもりです。

発展に必要なのは、チャレンジする人を支える風土

最後に、留職者を送り出すにあたり、さまざまなサポートをしているAM社人事センターの五百藏(いおろい)さんに、この制度が持つ「新しい働き方」に対するについて伺いたいと思います。

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―――AM社開発本部が抱える課題解決にとって、社外留職は魅力的な施策にみえましたか?

五百藏: 開発本部で働く皆さんが成長実感を持って働いているか、という課題意識を常に持っています。一人ひとりがイキイキと働いている感覚がないと技術者としてステップアップもできないし、会社の発展もありません。留職は、社員が成長するために会社が提供するオプションだと考えています。外へ出て、ベンチャーの空気を感じるだけでも視野が大きく広がるはずです。

AM社がいま目指しているのは、一人ひとりの心に寄り添い、こころを動かす様々な出会いを創っていく「Heartmotive」という姿です。今回の留職ではエンドユーザーの方と直に触れる機会が多くあると思いますが、「ひと」に寄り添うということをより意識し、その経験を職場のメンバーにもぜひ共有してほしいと思います。

―――今回留職している松井さんと鍋嶋さんも、AM社が人材育成に力を入れていることを実感したとおっしゃっています。なぜ、ここまで社員の後押しに積極的なのでしょう?

五百藏: 今回おふたりに留職へ挑戦したいと言われた時に、これは良いことだと感じました。外の世界で貴重な経験を積み、それを組織内に広める。このアクションを来年以降も続けていきたいと思っています。パナソニックには「社員の成長を後押ししていきたい」という空気があります。チャレンジする人を支える風土があります。それが、職場をひとつにまとめ、より良い組織への変革をかなえるのです。

個人的になりたい姿があって、それを目指して頑張ることは楽しいこと。でも、それを超え、組織としてみんなが力を合わせ一つの目標を達成することは、さらに幸せになれることだと思います。社員には、チャレンジしたい事があれば臆することなく手を上げてほしいです。会社はその時を待っていますから!

多様性がうたわれるいま、働くことへのモチベーションも一人ひとりさまざまです。個人の挑戦を組織として応援し、イノベーションにつなげることは、決して簡単なことではありません。短期的にみれば、効率的に業務を行う人材を育成したほうがよいのかもしれません。しかし、個人的な生きがいや興味・関心にもとづいて湧き出てくるモチベーションの価値を認め促す方が、多様で持続的な組織の活性化につながるのではないでしょうか。
一人ひとりの情熱と挑戦で、パナソニックは変わっていきます。

この記事をつくりながら、編集部でもいろいろな会社の新しいチャレンジについて話をしました。すばらしいアイデアや「うちの会社にもあったらいいのに!」とうらやましくなるもの、共感できる取り組みがたくさん始まっています。

みなさんの学校生活、ご家庭、職場で取り入れている斬新なコミュニケーション方法やルールがあればぜひ教えて下さいね。

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