【内定者編集部】パナソニックは風土をつくる会社〜広告クリエイティブ・秋庭さん〜
noteマガジン「【内定者編集部】#こうして今パナソニックにいる」のインタビューです。
このマガジンでは、パナソニックグループで働く方へのインタビューを通して、仕事や社会人の方を身近に感じていただくきっかけ作りができれば良いなと思っています。
さて、今回はパナソニック株式会社 くらしアプライアンス社で広告クリエイティブを担う秋庭 陽子さんにお話を伺いました。
調理と美容カテゴリーのデザインを担当されており、発達障がいの特性をもつ秋庭さん。幼少期や学生時代、現在の仕事内容、長年勤めた中で気づいた会社の風土の変化などを伺いました。
絵から力をもらった幼少期
森山:子どもの頃はどのように過ごされていましたか。
秋庭さん:兵庫県の豊岡市という自然豊かな場所で育ち、魚釣りや山奥に湧き水を汲みに行って外で遊んでいる活発な子どもでした。でも小学校3年生のときに、喘息が原因で長期入院することになってしまい、入院中は夜が怖くて泣いていました。そのときに看護師さんが枕カバーにイラストを描いてくれて眠れるようになって、絵の力ってすごいなと感じました。
森山:そこから秋庭さんご自身も絵を描き始めたんですか。
秋庭さん:そうですね。入院している子どもたちのリクエストに答えて描いていたらすごく喜んでくれて、やっぱり描くことには力があると実感しました。その後、大阪に引越をして、環境が大きく変わり、人見知りが激しくなり家から出れなくなりました。そんな時、親が心配して、外出の機会になるようにと絵画教室に通わせてくれたんです。今でも感謝しています。高校では現代美術の先生が私の絵を気に入って指導をしてくれるようになり絵の道を進み始めました。
デザインに打ち込んだ大学時代
森山:芸大に進学されたとおっしゃられていましたが、どのような大学生活でしたか。
秋庭さん:個性豊かな学生が多い環境でした。コミュニケーションの研究でおでんをずっと煮ている人がいたりとか、日本文化を纏うため、毎日着物で登校している人がいたりとか(笑)。
あと、デザインの勉強は一生懸命しましたね。実は芸大の受験勉強をスタートしたのが遅すぎて、みんな絵が上手いことは勿論のこと、デザインが好きな人がさらに勉強をするから絵やデザインの知識がすごく深かったんです。私は、絵は好きだけど、デザインに対する想いが強いわけではなかったので、みんなに追いつくために真剣に学びました。
森山:デザインにとことん打ち込むご経験をされたんですね。芸大ではグラフィックデザインを専攻されたとおっしゃっていましたが、どういった経緯で選ばれたんですか。
秋庭さん:嶋 高宏先生からグラフィックデザインの面白さを学びました。音楽を聴いたり小説を読んだりすることで泣くことはあると思うんですけど、デザインに感動して泣くってあまりないじゃないですか。その先生はグラフィックのポスターで人に感動を与えて泣かせようとしていた人なんです。すごく感動して、グラフィックデザインを選びました。先生のご指導を通じてどうやったら人の心に訴えかけることができるのかというのを考えるようになりました。
森山:デザインを通じて成し遂げたい理想像をはっきりもたれていたんですね。
パナソニックとの出会い・現在の仕事
森山:就活をされる際にパナソニックを知ったきっかけは何でしたか。
秋庭さん:大学の教授にパナソニックのプロダクトデザイナー 出身の方がいらっしゃいました。その先生が「パナソニックはデザインをすごく大事にしていて人に優しい製品をつくる会社だぞ」と仰っていたことや、パナソニックの創業者がデザインを大切に考えていたと聞いたことがきっかけです。話を聞いていくうちに、そこに行ってみんなに喜ばれるものをつくりたいと思うようになりました。何社か受ける中で、パナソニックの面接はリラックスしていろいろな話をすることができて、きちんと人を見てくれているなと感じられたことも理由の1つです。
森山:現在の仕事内容やその魅力を教えてください。
秋庭さん:現在は、調理と美容のコミュニケーションデザインを担当しています。展示会のしつらえから、お客様に「伝わる」コミュニケーション戦略の提案、W E Bやアプリのグラフィックデザイン、デザインシステムなど、リアルからデジタルまでコミュニケーションデザインの範囲が広いことが魅力です。パナソニックのデザイン部門には、プロダクト、CMF(カラー、マテリアル、フィニッシュ)、パッケージや、ストラテジー、UXなど、様々な専門分野のデザイナーがいます。少し前までは上司が最終案を決定していたのですが、現在はデザインメンバー全員で検討会を実施し、議論を重ねてデザインを磨き上げて決定していきます。そのプロセスがとても楽しいです。
障がいのある方へのサポート ー安心して伝えてほしいー
秋庭さん:私は発達障がいで障がい手帳を取得しています。友人にもずっと隠してきましたが社内有志の障がい者支援コミュニティで運営スタッフや親しい同僚に打ち明けたところ、「天才肌やなぁと思ってたけど、やっぱり天才だったんや!」と言ってくれて(笑)。
そんな風に腹を割って話せる関係性や、打ち明けても変わらず受け入れてくれる姿勢がすごくありがたかったです。上司も発達障がいを一つの特性・個性として受け入れ、発達障がいの特性も配慮しながら人としての成長を考えてくれています。会社のトップの方が多様性についての発信を積極的にしていることも追い風となり、安心して働くことができています。
今後の夢
森山:今後の夢について教えてください。
秋庭さん:私の中では「インクルーシブデザイン」は一つの大きなテーマです。
多様な人々の意見を取り入れて、誰もが安心して使える、全ての人に受け入れられる商品を作るという考えがインクルーシブデザインにあります。私自身、障がいをもつ当事者としてより深くコミットして、さらに良い商品を作り、優しくて強い会社にしていきたいと思っています。
森山が感じたこと
長年勤めていらっしゃる秋庭さんならではの視点で会社の風土の変化を語ってくださいました。発達障がいという特性に悩んだこともあったとおっしゃっていましたが、現在はそれを前向きに捉えられるようになったと生き生きと働かれている姿をみて、組織の風土が与えるものの大きさにも気付かされました。また、“人の心を動かすデザインがしたい”という秋庭さんの想いに触れ、コミュニケーションデザインは人の目に最初に触れるものであるからこそさまざまな立場・背景のお客さまを想定する想像力を持つ(お客さまの多様性を想定する)ことが価値を届ける上で重要であるようにも感じました。
<プロフィール>
こんな方に取材しました!
【パナソニックの人】すべての人を笑顔にできるデザインを、世界に発信したい。
インタビューした内定者編集部員
*記事の内容は取材当時(2022年10月)のものです。