イノベーションを起こす人を創る
こんにちは。パナソニックnote編集部です。今日は、先日ご紹介した「TOAワールド・ショーケース東京2021」のレポートをご紹介します!
▼2月15日、16日のTOAに参加したパナソニックのGame Changer Catapultに関する記事はこちらからどうそ
■Re-Inventing Everyday
いやー。とても刺激的なイベントでした!!
登壇者の方々の熱量。参加者のリアルタイムな反応。
まさに世界とつながっていることを実感・・・!
冒頭には、TOA(Tech Open Air)の創業者Nikolas Woischnikさんから、このパンデミックの中でのTOAを開催することの意義について紹介がありました。
TOAには10万人以上とのネットワーク、いわゆる「コミュニティ」があるそうです。そこにはベンチャー企業の社員やジャーナリスト等様々な属性の人がいます。(平均年齢25~35歳とのこと。若い!!)
Nikolasさんはパンデミックが始まったころ、コミュニティのメンバーに、なぜ彼らがTOAに参加しているか、をヒアリングしたそうです。
彼らがTOAに求めているものは
①インスピレーションを得るため
②色々な人とのつながるため
③新しい技術について知るため
④イノベーションについて知るため
⑤自分のキャリアを前に進めるあたらしいスキルを学ぶため
と非常に明確でした。これを満たすのに、必ずしも対面である必要は無いと考え、今回のTOAのバーチャル開催が企画されたそうです。
まさに、Re-Inventing Everyday。日常の再発明!!!
■不確実な時代におけるイノベーションの創出
初日のプログラムでは、大きな組織の中からイノベーションを起こすために必要なアプローチについてGame Changer Catapultの代表である深田さんと、ライオン株式会社の藤村さん、株式会社資生堂の中西さんが、ポストパンデミックを見すえて語りました。
Q. パンデミックの中で新規事業を開発することの課題や見えてきたことはありますか?
中西さん:コロナの前からその兆しはあったと思いますが、既に何かを解決する、という手法は溢れている世界の中で、「人はどうあれば幸せなのか」という点をより深く考えるきっかけになりました。
藤村さん:コロナは時間の奪い合いをもたらしているように感じます。YouTubeだったり、Netflixだったり…。そのなかで、ライオン株式会社は時間を生み出す企業へなれるのではないか。そんな問いを立てています。
深田さん:コロナ禍で痛感したのは、家庭内で様々な課題を解決しなければいけなくなったということです。教育も料理もそうですよね。そこへのソリューションとして、私たちは”未来のカデン”を提案できると考えています。いわゆる”家電”ではなく、家の中で家電的な解決をしよう、という意味です。
Game Changer Catapultのアイデアはこちらからご覧いただけます!
Q.今回のような世界のテックカンファレンスへの参加はどのような意義がありますか?
藤村さん:こういったカオスの場に飛び込むと、個人が変化すると思います。人との出会いや、アイデアとの出会い。そういった刺激で人が変わるモーメンタムがある。やはり、刺激の量は圧倒的にリアルの方が多いですよね。また現地に行けるようになったときの期待値はあがっていると思います。
深田さん:まさかこんな人と会えるとは、という思わぬ刺激に出会える。一歩外に出ることの好循環が生まれると思います。
中西さん:参加するにあたって、「こういうことをやってみたい」という思いを語る場を設けることが重要だと思います。そこを言語化して、やってみたい、という思いをチームでも共有できる。
深田さん:Game Changer Catapultでも、メンバーが自分で語ることは重要だと考えています。中西さんがおっしゃる「言語化」も色々な角度で行う。メディアから取材をして頂くのも一つですし、自分のSNSで発信するのも手法の一つ。あらゆる手段で、社外のフィードバックを得たり社内にも活動内容がいきわたるようにしています。
Q.イノベーションも様々なメソッドがありますが、意識している点はどんなところですか?
深田さん:もともとはオープンイノベーションやリーンスタートアップという、いわゆるシリコンバレー型のメソッドを取り入れていました。ただ、それを「型」にしてはまっていくと、うまくいかない部分もでてくると思います。今はまず、アイデアを一旦外に出し外部からの反応にさらしてみる。得られた反応を踏み台にしてさらにブラッシュアップする。というのを繰り返しています。このやり方も「型」にはまりだしたら破壊し、常に新しいやり方を取り入れていくつもりです。
中西さん:「共創と社会実装」というのを大きなテーマにしてます。世の中で言われていることが、社内ではぴったりこないこともありますし、その逆に社会にあわせるべきこともあります。また、経営層など活動を承認する側と認識をあわせることも重要だと思います。0から1を生みたいときと、1を100にしたいときは取るべき方法論も狙う規模も違う。組織で同じ目標をみているかどうかは重要だと日々感じています。
藤村さん:事業をつくれる人をつくれるのかが大きなテーマです。その中で、私は2つ禁止事項を設けています。一つは、「報連相禁止」。現場で鮮度ある情報に触れた担当者がその場で意思決定できる裁量と権限を与えています。もう一つは、「20%以上社内業務をしない」。メンバーが80%の時間をお客様に使えるようにフォローしています。事業をつくる人をつくるには、それくらいのマインドチェンジが必要です。
イノベーションを生み出す人。そんな人材や熱意を引き出せる組織について日々模索されているお三方の話を聞き、こんなエピソードを思い出しました。
パナソニックの創業者松下幸之助は、モノづくりにおいて「こんなものができたら便利だろうな、喜ばれるだろうな」という強い願いを大事にしていました。弊社の歴史の中には創業者から「君の考えていることが実現したら、素晴らしいな。人々の生活は変わるだろうな」と言われ、使命感が湧き新商品の開発に取り組んだ社員が大勢います。
まず、自分の中に願いがあるか。時代とともに変化する自分の内側にも丁寧に目を向けていくことで、強いソウゾウの源を見つけられるのかもしれません。
5年目を迎えるGame Changer Catapult。
この活動はまだまだ完成することなく、常に変化を続けていきます。
#TOATOKYO #未来のカデン #GameChangerCatapult