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量産に向けたあらゆる課題を解決し、パナソニック製品を世界中へ届けたい。

ぐるぐる回っている洗濯機を見るのが好きだった。洗濯物をきれいにしようと頑張っているようでおもしろかった。

子どもの頃の三浦純は、よく家の手伝いをした。食事後の皿洗いや掃除、洗濯、お風呂掃除など。それは母の喜ぶ顔が見たくてはじめたことだったが、やがて身の回りが、家のなかがきれいになることをたのしいと思うようになった。そして、家電に興味を持つようになった。「スイッチを入れるだけで、いろんなことをやってくれる家電ってすごいなって思って。これは、どんな機能が付いているんだろうって夢中で触っていました」。

家電が好き。それは自分にとっては当たり前すぎて、特に意識もしてこなかったことだったが、就職活動がはじまって自身について考えるうちに思い出してきた。子どもの頃、新しい家電を見るたびにワクワクした。あんな気持ちになれるものをつくってみたい。でも、それができるのはどんな会社だろう。考えた時に真っ先に頭に浮かんだのが、パナソニックだった。

入社すると、すぐに研修がはじまった。「創業者の言葉に『ものをつくる前に、人をつくる』というのがあるのですが、本当にその言葉通りでした。ビジネスマナーなどの基本的なことはもちろん、創業者の教えを学んだり、技能を磨いたり、他の企業にお伺いして勉強させていただいたりしたのですが、なかでも印象的だったのは『販売店研修』でした」。

それは地元の販売店で実際に働き、現場を体験する研修。「ちょうど夏の時期でしたので、エアコンが最盛期。お客さまの家にお伺いして取り付けるのを、1日に何件もやっていました。研修させてもらった地域はご年配のお客さまが多く、テレビのリモコンの電池交換の仕方が分からないといったご相談を受けることもあったので、毎日のようにお客さまのところに伺ってお手伝いをしていました」。

たくさんお礼の言葉をいただいた。時には心づかいが足りず、お叱りを受けることもあった。「実際の、お客さまの顔を見て仕事ができたことは、その後のモノづくりにおいて本当に勉強になりました。それに僕には、忘れられない笑顔があるんです。ご年配のお客さまなのですが、お使いのエアコンが壊れてしまったのに買い換えに踏み切れなくて、夏の暑いなかずっと我慢をされていたそうなんです。でも新しいエアコンを買うことになって、僕たちが取り付けに伺ったのですが、エアコンから風が吹いたらパッと振り返って、見たことないくらい嬉しそうな顔で『涼しいね。頼んで良かったわ』って。その時に思ったんです。自分たちのモノづくりは、こういう笑顔のためにあるんだって」。

研修が終わると、彼は空調冷熱ソリューション事業部に配属された。「現在、僕が担当しているのは、エアコンや給湯器をメインとした室外機の量産開発です。仕事は大きく3つあって、ひとつは新製品の開発において、量産の課題や品質に関わる不具合箇所を試作段階で見つけ、撲滅すること。2つめは、すでに量産されている製品で発生した不具合の対応や、品質確保のための工程改善。3つめは、現場での作業を快適にして、少しでも生産効率を上げるための治具の設計です。ひと言で言えば、製品の品質を向上させながら、効率よく量産するための取り組み全般が僕の仕事です」。

量産の不具合は思わぬことが原因になることがある。「たとえば、ひとつのネジの素材が少し変わっただけ。それ以外は従来と変わらない設計でつくっているのに、使用環境との相性が良くなくて問題が起きてしまうことがあるんです」。原因とその解決策を求めて、さまざまなデータを探ったり、その道の知見を持った方に協力いただいたり。そんな日々が数カ月も続くこともある。「正直しんどいと思うこともあります。でもその時は、研修の時に出会ったあの笑顔を思い出すんです。そうすると不思議に元気が出るんですよ」。

彼には今、思い描いている家電がある。「ただ便利であったり、役立つだけでなく、それ以上の喜びや満足、そしてワクワクをお届けできるような、いわば生活に彩りを与えるような家電をつくりたいんです。『みんな』ではなく、もっと『一人ひとり』の思いに応える家電。それは、くらしを見つめ続けてきたパナソニックだからできることだと思います。まだまだ学ばなくてはいけないことも多いですが、いつか実現したい夢ですね」。

<プロフィール>

三浦 純(みうら あつし)
生産技術
アプライアンス社
2017年入社 機械工学科卒
最近ハマっているのはサウナ。「熱い」以外、余計なことが考えられなくなるところが、心身をリセットするのに役立っているという。また、スイーツ好きのため、休日にはお店を探して食べ歩きをすることも。

◆パナソニック採用HP
https://recruit.jpn.panasonic.com/

*所属・内容等は取材当時のものです。