中川ホフマン愛さん「社会と向き合う、自分と向き合う。」|僕らの時代 Vol.11
自分らしい価値観をたいせつに、志をもって活躍している人とコラボレーションしていく「僕らの時代」。第11回目のゲストは、「メンタルヘルス×社会問題」をテーマに発信するblossom the projectの代表・中川ホフマン愛さんです。
松下幸之助が未来を担う若者へのこしたメッセージに、今を生きる私たちはなんとこたえることができるでしょう。
さまざまな社会課題について発信し若い世代と問いを共有し続ける愛さん。活動のなかで改めて大切に感じた、ある考えについてつづってくれました。
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「社会と向き合う、自分と向き合う。」
最近、夕日を眺めると、心が少し空っぽに感じる。
考えてみれば、ここ数年、美しい景色を目にするたび、呼吸をすることが難しくなり、胸がギュッと引き締められているような気持ちになる。
そう感じる理由は正直まだ分からない。でも、きっと私が感じているのは長年不安を抱えてきた心の疲れ。
大学に進学してからのここ4年間、大人になることや私の将来、世の中の将来について不安ばかりを抱えながら過ごしてきた。ゆっくり落ち着くことができなくなった。
もともと、私がblossom the projectを始めた理由は、日本の若者にメンタルヘルスの大切について発信したいと思ったからだ。「私は世の中に何を貢献することができるのだろう?」と疑問に思うようになり、私が熱心に思うメンタルヘルス啓発の活動を始めた。
しかし、活動を続けるとますますプレッシャーを感じるようになった。
朝起きてニュースを読むと次から次へと切ないニュースしか流れない。
「これについて発信しないといけない」、「あれについて投稿を作らないといけない」と日々感じながら活動を続けてきた。私は他に何ができるのだろう、どうしたらもっと人々に役立つことができるのだろう、と。
そんな中、休養の大切さを忘れていた。自分に優しくすることやセルフケアを通して心を落ち着かせることをしていなかった。
私と似たように、こう感じる若い活動家はきっと少なくない。
「世界をどう変えるのか。日本をどんな国にしていくのか。」
松下幸之助は未来を担う若者へこのようなメッセージを残した。
もちろん、私たちには世の中を改善していく義務がある。しかし、自分の身体や心の健康を忘れ、休まずに走り続けることは持続可能ではない。
将来はどうなるかは正直誰にも分からない。日々不安を抱えながら生活をすると「今」を生きることを忘れてしまう。
だから、私たちは、より明るい未来のために活動・勉強・仕事を続けながらも、休みをとることを忘れない。
「今」という時間にしっかり感謝をしつつ、「明日」のためにアクションを起こす。
最後に私がいつも自分に言い聞かせている言葉をシェアしたい。
「目指すのは完璧ではなく、成長」
気候変動・性の平等・政治活動など、様々な分野で取り組む活動家がいる。
そんな中、次から次へと成し遂げたいことがある。
しかし完璧なんて存在しない。完璧ばかりを目指すと目の前の小さな成果を忘れてしまう。
自信を持って、アクションを起こすこと。これが大切。
最近は綺麗な景色を眺めると、「希望」を持つことにしている。
不安な日があっても、必ず希望もある。
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noteマガジン『僕らの時代』は、様々なフィールドでソウゾウリョクを発揮し、挑戦を続けている方々とコラボレーションしていく連載企画です。
一人ひとりが持つユニークな価値観と生き方を、過去からのメッセージに反響させて“いま”に打ちつけたとき、世界はどのように響くのでしょうか――。
▼「新たな時代」全文はこちらから
https://youth-note.jpn.panasonic.com/n/n8690055d07f1