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修理サービスを向上させ、 お客さまの笑顔をつくりたい。

大学1年生の時に、あの震災にあった。実家の家族の無事を確かめた後、神戸から西宮まで5時間かけてひとりで歩いて帰った。どこまで続いているか分からない、あかりひとつ灯っていない道。それは、あまりに不安で心細い光景だった。あんなものは2度と見たくない。だから、就職活動の時は「集う人たちが、ずっと笑顔でいられるような街づくりがしたいです」と言って会社を回った。デベロッパー、建設会社、インフラ事業...パナソニックは、一応受けてはみたけれど、特に本命という訳ではなかった。

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しかし、面接のなかで言われた一言にハッとした。「建物も、住宅も確かに大切だと思う。だけど、電気が通って、ちゃんと電化製品を使えてこそ、そこに笑顔が生まれるんじゃないかな」。ふと、あの日の真っ暗な街が浮かんだ。本当にそうだ。電気が通って、あかりとか、いつもの電化製品が使えるくらしのなかでこそ、人は笑顔になれる。今から思うと、少し単純だったかもしれない。でも、その時はすごく納得した。こうして彼は、パナソニックへの入社を決めた。

「でも、パナソニックで絶対にこの仕事がしたいとかがなかったんです。志望を聞かれた時も、『お客さまを笑顔にする仕事がしたい』って。そうしたら、入社の時に『CS』本部配属って言われて」。人事の担当者からは「中田くんにぴったりな配属にしたよ」と説明をされたが、正直何をするところか分からなかった。たぶん衛星放送のアンテナをつくる事業部か何かだろうと、うっすら考えていた。

カスタマーサービス/サティスファクション本部。それは、お客さまにパナソニック製品を末永く使っていただくため、修理サービスに関するさまざまなことが業務となる。たとえば修理方法の検討から部品の調達・供給、サービス会社の技術力やお客さまご相談センターの対応力の向上、そこでいただいたいろいろな声を製品づくりにフィードバックするのも仕事だ。

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「実際に修理を行うサービス現場と連携するだけではなく、事業部内の調整も必要な仕事なので、最初は簡単な資料作成や、過去の実績の集計などが主な仕事でした。他の事業部にいる同期たちがどんどん成果を残していく話を聞いて、焦りを感じてしまって、まだ自分は全然お客さまを笑顔にできてない、どうしよう!って思っていました」。目の前の仕事に必死に取り組む日々が続いた。変化は4年目に突然訪れた。修理サービスに関する新しい事業の立ち上げを任されたのだ。

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「パナソニック製品だけでなく、他社製品も受け付ける修理専門店をつくったのですが、いきなりその店舗の運営を任されたんです。売上やコストをやりくりしながら、どうしたら修理を通じてお客さまを満足させることができるのか。毎日そればかり考えていました」。休みの日も仕事が頭から離れない。それは彼にとってはじめてのことだった。とにかく必死だった。真剣だった。そしてその経験は、彼の仕事との向き合い方を一変させた。

それから、さまざまな仕事に挑戦した。パナソニックショップの修理認定店制度や修理料金定額制の導入、インターネットを通じた修理サービスの立ち上げ。パナソニックとしてはじめての取り組みが多く、すべてが手探りで大変ではあったがやりがいがあった。その後は、海外市場におけるCS業務を学ぶため、パナマの販売会社に2年ほど赴任し、太陽光発電システムの設置工事の仕事に携わった。語学を勉強しながら新しいサービスを提案し、試行錯誤の末に何とか採用まで結び付けた日々は、今でも彼の財産だ。「あのパナマでの経験に比べたら、どんな困難も大したことないなと思えるようになったんです」。日本に戻ってからは大型空調のCSを担当したり、責任者としてコールセンターの立ち上げをしたり。気が付くとCS業務のエキスパートになっていた。現在は、テレビやカメラ、レコーダー、オーディオなどの商品のカスタマーサービス担当として、お客さま満足度向上のための中長期的なサービス施策を担当している。

「CSは、お客さまの笑顔をつくる仕事。配属の時に言われたあの言葉は本当だったなって今は思います。先日もビデオカメラの修理をされたお客さまからメールをいただいたんですが、『家族の思い出が詰まったデータ、あきらめかけていたけどもう1度見ることができました。本当にありがとうございます』って。そういうのが本当に嬉しくて。私たちが、部品を供給したり、技術資料をつくったりしてサービス現場をサポートしていることが、回り回って、この『ありがとう』につながっているんだって。そう考えると、この仕事で良かったって誇らしく思えるんですよ」。光の当たる仕事ではない。しかしそこには、彼がめざし続けた喜びが確かにある。

<プロフィール>

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中田 康夫(なかた やすお)
カスタマーサービス
アプライアンス社
1998年入社 経済学部卒
学生の頃は、休みになると友だちと一緒に旅に出かけた。北海道へ、九州へ。テントを建て、飯ごうでご飯を炊き、夜空を見ながら寝たという。なかでも野宿したり、現地のゲルに泊まらせてもらいながら旅したモンゴルでの3週間はいちばんの思い出。

◆パナソニック採用HP
https://recruit.jpn.panasonic.com/

*所属・内容等は取材当時のものです。