【内定者編集部】熱い想いをきちんと伝える大切さ〜研究開発・磯邉さん〜
パナソニックグループ内定者である私と森山さんによるnoteマガジン「【内定者編集部】#こうして今パナソニックにいる」5人目のインタビューです。
パナソニックグループで働く方へのインタビューを通して、私と同じ学生の皆さんに仕事や社会人の方を身近に感じていただくきっかけ作りができれば嬉しいです。
毎週水曜日に発信していきますので、是非、お楽しみください。
さて、今回はパナソニック コネクト株式会社で研究開発を担当されている磯邉 柚香さん。大学でロボットの世界に出会い、その魅力に惹かれたそうです。インタビューからもロボットへの熱い想いが伝わってきました。現在プロジェクトリーダーとしてロボットの手の部分の制御開発を担当。子ども時代のエピソード、仕事の転機、現在の仕事の内容、大学生へのメッセージなどを伺いました。
学生の頃を振り返って
豊嶋: 今日は磯邉さんとお話しできること楽しみにしておりました。
初めに、子どもの頃を振り返って当時のことを教えていただけますか。
磯邉さん: 埼玉県の田舎の地域で育ちました。友達と話すことが好きな子どもでした。教科で言うと算数が得意で、体育が苦手でした。
算数は解けなかった問題を反復して解けるようになる、他にも応用できるといったロジカルなところが面白いと思っていました。
また、苦手だった体育もソフトボールに出会って、バッティングならまかせて!という感じになりました。ソフトボールは中高の6年間続けていました。
豊嶋: 私も算数の応用が効くロジカルなところに魅力を感じています。興味を持ったことをしっかりやり切る子ども時代だったのですね。現在、ロボットに関わるお仕事をしていらっしゃると思いますが、ロボットと出会ったのは大学ですか。
磯邉さん: そうですね。大学は精密工学科に進んでいて、ある講義の中でロボットに出会いました。ロボットはプリントを配るなど人間には当たり前にできることもできないということを知り、自分でその課題を解決したいと思うようになりました。
豊嶋: 一つの講義がきっかけでロボットに興味を持ったのですね。どんなところに運命の出会いがあるのかわからないので、日々アンテナを張って過ごしたいと思いました。磯邉さんはそのまま、ロボット系の研究室に所属したのですか。
磯邉さん: ロボットに携われる研究室を探して入りました。自分のやりたいことを先生に伝えて、「この研究室でやれますか?」と聞いて回って選びました。研究室に入ってからも自分のやりたいことをきちんと伝えて、研究を行っていました。
豊嶋: 研究室を選ぶ時など、自分の思いをきちんと伝えることは大切ですね。
入社してからも思い続けたロボット
豊嶋: 大学でロボットに出会い、それを仕事にすることを考えていたと思いますが、なぜパナソニックグループを選んだのか教えてください。
磯邉さん: 絶対にロボットを研究できる企業に入りたいと思っていました。カメラの研究もしていたのでカメラ×ロボットができれば良かったです。工業用だけでなく、いろいろなところに使えるロボットを作りたいと思ったので業務体系の広い総合電気メーカーで探していました。その中で、ロボティクスの採用があったのがパナソニックでした。
豊嶋: ロボットの研究が最も大切な軸だったのですね。最初からロボットの研究に携わることができたのですか。
磯邉さん: はい、最初は水中ロボットを作っていた部署に配属されました。最初は水中でも浮力を制御してロボットを制御することができることに感動していました。
豊嶋: 無事ロボットに関わる仕事ができたのですね。その次に携わった仕事はどのようなものでしたか。
磯邉さん: 実は入社して半年してからは電動バイクのバッテリーに携わる仕事をしていました。元々配属されていた部署が他の部署と合併したため、ロボット開発とは異なる仕事につくことになりました。
豊嶋: なるほど。ロボット開発以外のお仕事も経験されたのですね。
磯邉さん: そうですね。ロボットに関われない中で、深く学んだことのない機構設計を学んでやろうと気持ちを切り替えました。そこでの学びが今の仕事にも活きていると思います。
豊嶋: ポジティブな切り替えですね。今ある環境の中で、しっかり学べることを学ぶことの重要性を感じます。磯邉さんはその後、ロボットに関わる仕事に戻ってきたと思います。どのような経緯で再びロボットに関わることができたのでしょうか。
磯邉さん: やはり、ロボットに携わりたいという想いがあり、先輩に相談しました。先輩方の協力もあり、当時の仕事の中で1ヶ月ロボットの設計をする機会を作ることができました。
その中で、センサー類もカメラしかない中で、ジェンガをするロボットを作りました。このロボットの技術は大学の時のカメラのセンシングの技術や当時の仕事を通じて学んだ機構設計の技術の集大成でした。ものすごく大変でしたが、形にすることができました。
豊嶋: ジェンガができるロボットすごいですね。人間でも積み上げていくのが難しい繊細な力加減を制御できるのですね。
磯邉さん: その後、パナソニックグループの内覧会でジェンガロボットを発表する機会を得ることができました。
内覧会でジェンガをするということやその中に使っている技術に興味を持ってくれる人に出会うことができました。他の部署の内覧会にも呼ばれるようになり、そのご縁が今の仕事に繋がっています。
豊嶋: ドラマみたいな展開ですね。自分の思いを発信して、学び続けることの大切さを痛感します。
日々進歩するロボット制御
豊嶋: 改めて、現在のお仕事についてお伺いします。現在はロボットの開発のどのようなことに関わっているのでしょうか?
磯邉さん: はい。ロボットの手の部分を制御する開発をしています。その中でもカメラ、画像処理を使って手を制御しています。手の中で持っているものの向きを変える動作をさせる制御開発をしています。
今のロボットではものを取ってそのまま置くか、取ってアームだけ回転して置くかの動作しかできません。手の中で回転する技術で世の中に貢献したいと思います。
豊嶋: ありがとうございます。柔らかいものをつかむことはロボットには難しい作業なのですね。具体的にどのようなところで活用できる技術なのでしょうか。
磯邉さん: 組み立て工場でネジが入る向きに変え、配置したり、収穫やお弁当を詰めたり、向きを揃えておくことのできるロボットは様々な分野で活かせると思います。ロボットが活躍する現場が拡大させて、労働力不足の解消につながればと思っています。
また、今開発している制御技術は食品などの柔らかいものを扱っており、潰さないように手の中で転がす技術を目指しています。卵を潰さないように向きを揃えてお弁当に詰めたりできたらいいなと思っています。
豊嶋: ありがとうございます。柔らかいものも人間のように扱えるようになったらロボットの可能性が広がっていってワクワクしますね。この仕事を進める上で難しい点はありますか。
磯邉さん: 人間が当たり前にできることのメカニズムを紐解かなくてはならないことです。また、紐解いたメカニズムもロボットは人間とは違う造りを しているのでロボットに合わせて伝えなくてはいけません。
豊嶋: なるほど。普段無意識に当たり前にやっていることを人とは異なる造りをしているロボットに伝えることは難しいのですね。
磯邉さん: 難しい課題があるからこそ、ロボット開発は魅力的ですね。
熱中するものを見つけるには?
豊嶋: 話をお伺いして、磯邉さんはロボットに熱中していると感じました。学生が熱中するものを見つけるにはどうしたら良いと思いますか。
磯邉さん: 面白いと思ったらやってみること、今の自分にできないことをやってみることが大切です。興味を持った研究に没頭できる大学生の時間を大切にしてください。
豊嶋: 「今の自分にできないことをやってみる」という考えは私にとって新しい学びでした。興味を持ったことに没頭できる大学生活を大切にしたいと思いました。本日はありがとうございました。
豊嶋が感じたこと
ロボットの魅力に惹かれ、自分の思いを大切に発信してきた磯邉さん。
どんな状況であれ、自分の思いを周囲に伝え、学び、努力し続ける大切さを学びました。私も自分のやりたいこと、志を持って有言実行していきたいと思いました。
今の環境だからできることを常に考えていきたいと思います。
<プロフィール>
この方にお話を聞きました!
インタビューした内定者編集部員
*記事の内容は取材当時(2022年10月)のものです。