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#はたらくってなんだろう~社員リレー企画 01~

こんにちは。パナソニックnote編集部です。
投稿コンテスト「#はたらくってなんだろう」の弊社社員による「リレー企画」。
今回は社内の研修部門でお仕事しつつも、社内複業制度を使って採用部門も兼務されるなどチャレンジを続けておられる新倉 さとみさんの「#はたらくってなんだろう」に対する想いをご紹介いたします。

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小さな部品が見ている先に |新倉 さとみ さん

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私は34年前パナソニック(当時の松下電器産業)に入社した。
職場に配属されてすぐの頃に聞いた先輩社員の言葉で、今でも印象に残っていることがある。


会社の歯車になる

「会社を回すための歯車のたった1つの歯になるなんて面白くないという意味で使われているが、歯車の歯というのはたった1つ欠けただけでも全体が回らなくなるものであって、若手社員がそんなことを口にするのは自分の立ち位置を理解していないと主張しているようなもの」

だと先輩は言った。

要するに会社を回している存在になれていなければ、それは歯車になっているとは言えないということだ。

あれから30年以上の月日の中で、自分の携わった仕事を振り返った時、過去に複数の「自分ならではの成果」を出してきたと自信を持って言える。

でも、それが歯車の歯になったと言えるのだろうか?

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話は変わるが、私には高2の息子がいる。
「草食系男子」でイメージされる代表的な人物像を造ったらこんな子になるんじゃないかというような、穏やかでニコニコしていて、親から見ても本当にかわいい息子だ。中高一貫校入学当時は学年でもトップクラスの成績を納めていたが、のんびり屋の性格が災いして、学年が進むにつれて順調に(!?)成績は右肩下がりだ。

ところが、高2の夏を過ぎたころからちょっと自分の進路について考えるようになってきて、勉強にも少しずつ力を入れるようになってきた。
最近はどんな勉強がしたいか、どんな学部に進みたいか、それはどこの大学にあるのか、偏差値はどれぐらい必要か。いろいろ現実が見え出して、家族での間でも自然とそんなことを話す時間が増えてきた。

社会人歴が長い私は、ついつい息子に


「大学は将来どんな仕事に就くか、どんな人生を歩きたいかの過程なのだから、結果的に後で路線変更をすることになってもそれは仕方がないことだけれど、今きちんと考えないで進むことは良くないね」

などと余計なことを伝えてしまう。
すると、息子は

「古いなぁ、今はそういう時代じゃないんだよ、自分が好きなことをやって食べていければそれでいいんだよ。わかってないなぁ~」

などと膨れてしまう。
進学も就職も30年も違えば、根本的な考え方から全く違うものなのだろうと思い、それ以上自分の考え方を押し付けたりはしない。

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仕事のことに話を戻すが、
仕事面で自分の心を満たすものや、やりがいなどについて考えた時、私にとって重要なポイントの1つに「自分ならではの成果」「自分らしい成果」というものがある。
私は技術系の社員なので、自分のスキルを発揮して成果に結びつけたり、他の人にはマネできない最終着地をさせたいと心のどこかで思っているフシがある。
でも、それは自分だけが満足できるものではなく、誰かの役に立ったり、お客様に価値をお届けすることに繋がるものでなければ、成果とは言えないことも知っている。
だって、誰も私の仕事に価値を見いだしてくれないのであれば、それはお役立ちとは言えないし、そういうのは仕事ではなく作業なのだと若い頃に教え込まれて育ってきているのだから。


息子世代の人たちが、好きなことをやって食べていくことを望んでいることは頭では理解できる。

でも、好きなことだけだったり、持っているスキルの範囲内だけで一生涯やって行けるほど世の中甘くないよって頭の反対側で思ったりもする。

好きなことで食べていくって言っても、付帯する嫌なこともひっくるめて経験することで自分の中にいろいろなものが蓄積されていくと思う。

それまで興味がなかったことに興味がわいたり、考え方やモノの見方が自然に変わったりすることもある。ましてや技術は日進月歩、学生時代とは比較にならないぐらい自主的に勉強し続けなければ自分が思うような成果も出せない。

息子の進学問題を考えていたら、結局のところ自分の生き方を考える羽目になってしまった。

私はいまだに「会社のための歯車」という言葉にはピンとくるものがないけれど、一緒に働く誰かのためだったり、お客様のためのお役立ちの歯車を回すための部品なることは、働くことが楽しいと思える時の感情(やりがい、自信、満足感など)に繋がっているという結論にたどり着いた。

自分の望む「お役立ちの歯車」の歯が、巡り巡って会社に利益をもたらすことになっているという意味で会社の歯車になっているという評価をいただけるのであれば、それは悪くはないのではないだろうか。

今は息子に言ってもわかってもらえないと思うけれど、息子が社会人になって少し経った頃に話したらどんな反応が返ってくるかな?そんな日が来るのを楽しみにしようと思う。