当たり前の違いに気づくたび、人は優しくなれる|#思い込みが変わったこと
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当たり前の違いに気づくたび、人は優しくなれる|#思い込みが変わったこと

パナソニック_ソウゾウノート

ソウゾウノートでは、2022年3月25日から「#思い込みが変わったこと」をテーマに投稿コンテストを開催しています。

今回のnoteコンテスト「#思い込みが変わったこと」では、多様な価値観や生き方・考え方があることを、コンテストを通じてみなさんといっしょに共有しあったり、考えたりしたいと思います。

今回お話を伺うのは、フェミニズムへの誤解を解き、優しい社会を広げるために発信やイベントを開催している学生団体「imI(イムアイ)」の立ち上げメンバーの一人、コモモさんです。コモモさんは小学生のころから社会問題に関心を持ち、中学時代にフェミニストに関する記事を読んだことをきっかけで、自身でも「フェミニスト」と名乗るようになりました。そんなコモモさんがimIの活動をはじめる中で、思い込みが変わったこととは何か。コモモさんのフェミニズムにとどまらない、人との接し方への強い想いはどこからくるのかをお話いただきました。

コモモ
2004年生まれ。東京学芸大学附属国際中等教育学校に通う高校二年生。
imIの共同創設者のひとり。"人と違う"が大好きでドラアグクイーンにあこがれ、最近では学術的な視点でフェミニズムを学びはじめている。見た目は自己表現の一つだと考え、「一目で私とわかるような人でいたい」と語る。

imIについてはこちら

★★★

自分の特権が誰かを傷つけることもある

―imIの活動の概要とその中でのコモモさんの役割について教えてください。

コモモ: imIは高校生や大学生が所属している団体で、ジェンダーやフェミニズムを軸に社会を見つめなおすきっかけをつくるイベントを開催しています。私も学校に通いながら、普段は週に1回、イベントの開催が近いとほぼ毎日活動を行っています。imIは役職を決めていないので、できる人ができるときに動く体制をとっていますが、私は立ち上げメンバーのうちの一人ですので、おもに外部とのやり取りやメンバーのタスク管理を担当しています。

―imIを立ち上げるきっかけは何でしたか?

コモモ: 当時新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、休学になることが多く、急にぽっかりと空いた時間が増えました。そのときに「Inspire High(インスパイア・ハイ)」というライブ配信セッションやワークショップが開かれる 10代向けのライブ配信アプリを始めたんです。その中で自分を表すハッシュタグをつけるアクティビティがあり、私はずっと興味のあった「フェミニスト」と書いてみました。するともう一人のimIの創設メンバ―であるしおりさんも「フェミニスト」と書いていたのを見て運命を感じたんです。それでインスパイア・ハイの運営の方につなげていただきました。

その後しおりさんと話をするうちに、「今の社会でフェミニズムというと、過激な印象を持たれたり、ジェンダーについて行動すると意識が高い人と言われがちだよね」という共通の問題意識があったので、そんな社会の意識を変えたい想いから「イベントをやろう!」と一念発起しました。そして何度かイベントを重ねるうちに、こういった活動を「もっと広げたい!」という想いが生まれ、団体を作ることになったんです。

―イベントの中でも、とくにコモモさんが周りの思い込みを変えたという経験はありますか?

コモモ: 「特権」をテーマにしたイベントですね。特権って聞くと、昔の特別階級みたいなイメージを持たれる方が多いのですが、実は一人ひとりが何らかの「特権」を持っているんじゃないかなという考えから発想して、「男であること」「女であること」「日本語を話せること」「10代であること」などのカテゴリーをいくつか紹介し、それぞれが持っている優位性について体験談を共有しながらメンバー同士で話し合いました。

私は好きになった人の性別を気にしない「パンセクシャル」というセクシャリティなのですが、異性愛者であることは特権だという話をしました。今の社会、たとえばテレビの中の会話や広告などは異性愛者を前提に話が進んでいくことが多いですよね。そんな中、私のように異性愛者ではない人は、異性愛者の特権に傷つけられることが多々あります。性的指向においてもさまざまな人が存在していて、無意識に自分の特権が他人を傷つけることもある。そのことに気づいてほしいと思い、私自身のセクシャリティの話をしました。

また、こういったイベントの目的は「何かを解決すること」ではなく、話し合う中で一人ひとりが「考えること」をたいせつにしています。たとえば、「特権」をテーマにしたイベントでは「自分の持つ特権の加害性」や「無意識に自分が傷つけられていた経験」を考え、それらに気づくことを一1番たいせつにしました。実際にイベントの参加者からも「自分の加害性に気づくと、人に優しくなれることがわかった」という声があり、イベントの本質が伝わったと実感でき、とてもうれしかったです。

―イベントを通じて、コモモさん自身にはどのような変化がありましたか?

コモモ: 自分の中だけにあった社会とのギャップを言語化することで、私は今まで辛い思いをしてきたんだなと気づくことができました。また、日常会話の中でも誰かを排除してしまうような言葉を避け、さまざまなケースを想定して相手と接するようになりましたね。たとえば相手のセクシャリティを特定した状態で話を進めてしまわないように、「彼氏、彼女」ではなく「パートナー」という言葉を使うようにしたり、相手の家庭環境を知らない状態で家族の話を聞くことはしないようにしたりしています。

誰も排除しない、一人ひとりをたいせつにする未来に

―コモモさんにとってのフェミニズムとは何でしょうか。

コモモ: 先ほど紹介したイベントでもあったように、人っていろんなカテゴリーに分けることができます。でもそれだけで人を判断してしまうのが、私はすごく嫌なんです。「この人はこうでないといけない」と押しつけることで傷つく人が少なからず存在すると思っています。私の周りでも「女の子だから痩せなきゃいけない」という考えから拒食症になってしまった子もいました。今では元気に過ごしていますが、これ以上誰も、社会の見えない壁で傷ついてほしくないし、傷つけてほしくないと思っています。なので私の考えるフェミニズムとは、「その人の考えを尊重できること」ですね。

―コモモさんの強い想いが伝わってきます。今後コモモさんが目指すビジョンについて教えてください。

コモモ: 誰かを排除してしまう社会にだけはしたくないですね。なので、無意識な「思い込み」があることに気づいていなかった人にも、こういう人がいて、こういう苦しみがあって、でもこういう考え方をしたらもっといいんじゃない? というように、これまでimIが発信してきたフェミニズムのかたちを一人でも多くの人に届けられるよう、これからもイベントを続けていきたいと思います。将来的には私より若い世代もどんどん巻き込んでいきたいです。そのためには法人化をして持続可能な組織に、というのが私個人の夢でもあり、imIとしての夢でもあります。

―ありがとうございました。最後に読者へのメッセージをお願いします。

コモモ: 「自分の当たり前は当たり前じゃないかもしれない」ということに気づくのは、すごくエネルギーを使うことだと思います。ですが、それに気づくことによって人に優しくなれますし、今まで見ていた当たり前の景色が変わって見えてくると思います。私もみなさんも、怖がらずにいろんな世界を見て自分をアップデートしていき、社会全体が思いやりにあふれる世界になったらすてきですね。



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