ありのままの自分を、あなたは知っていますか?
こんにちは。パナソニックnote編集部の串田です。本日も「CES 2021 Panasonic in Tokyo」のセミナーレポートをご紹介させていただきます!
本日取り上げるのは、2021年1月13日(水)15:35~16:15に開催された『感覚的に自分と向き合うこと「オーラの可視化 “aura meditation” 」 -CES 2021 Panasonic in Tokyo-』です。
デザインのビジョンと開発背景
パナソニックのデザインチームには「人を起点に『何が求めらているのか』から考えるものづくりプロセスへ」というビジョンがあります。人が求めていることを提供しお役立ちするというのは、企業活動にとって当然のことですが、そもそも”人が求めていること”というのは時代ともに移り変わり、複雑になってきています。日本でもダイバーシティ&インクルージョンが推奨され、多様であり個性的であることが認められる機会も増えてきました。自分らしい幸せの選択肢も広がった今、逆に「自分らしさ探し」に追われたり、バイアスがかかって本当の自分を見つけることに苦労している人もいるのではないでしょうか。
未来の豊かさを問い、具現化するデザインスタジオ「FUTURE LIFE FACTORY」。そこでは、100年にわたって日本から世界の豊かなくらしを創り続けてきたパナソニックだからこそ描ける未来のくらしのビジョンをソウゾウし、世に問いかけているデザイナーたちがいます。メンバーの東江 麻祐さんは、「本当の自分らしさを見つけたい」という現代人のインサイトに応えるソリューションとして「aura meditation」をデザインしました。
直感的に自分らしさに気が付く
デザイナーの東江さんは、自分自身を知る手法の一つとして「オーラ」を選んだ理由をこう説明します。
「学生の頃に授業できいた、『言語はコミュニケーションを取るために物事の共通概念としてつくられたものだ』という話に衝撃をうけました。例えば、クッキーを思い浮かべてみると、言語はクッキーの型のようなもの。型にはまった部分は言葉で共有できるけど、型からはずれた生地は取りこぼされしまった情報と言えるのではないか、と感じたんです。言語で自分を捉えることは効率的だけれど、それだけだは自分自身のことですら完璧にとらえることはできないと思いました。そこで、言葉だけではなく感覚的にとらえる手段があれば自分への理解が深まると思いました。」
「aura meditation」で表現されるオーラの数は288通りあるとのこと。パナソニックの感情センシング技術を活用し、独自のアリゴリズムでオーラの可視化を実現しています。感情やその日の状態などを統計学的に分析し、直感的にその人のもつ雰囲気を抽象的なビジュアルで表現することができるのです。
感覚的に、曖昧に、なんとなく。
”自分っぽさ”を色や形で提示してくれる体験。
それは自分を客観的にとらえる新しい方法だと感じました。
このソリューションでは、センシング技術などのテクノロジーはもちろん、人相学など非科学的な分野の知見も取り入れているそう。このプロジェクトを共に推進しているパナソニック株式会社 プロダクト解析センターの丸山博さんは、「自分にはオーラは見えないが、たまに見える方もいらっしゃいますよね。そういうものを直感的に可視化するのは面白いと思いました」と東江さんからプロジェクトの相談をうけた当時の思いを振り返りました。
「実はこのプロジェクトを始めてから、オーラを実際に見ることのできる方と出会いました!」と東江さん。
「オーラの表現を検討する際、その方に50名程のオーラを診断してもらい「オーラ図鑑」をつくり参考にしました。考えていくうちに、スピリチュアルな力だけではなく、対象となる方を分析する洞察力というものが重要なのではないかという仮説にたどり着きました。そこで人の動きや表情を解析するテクノロジーを使うことになりました。」
今後の展開
目に見えない人の感情や性質を可視化することは、コミュニケーションの幅を広げていく可能性を持っています。例えば、仕事上のチームビルディングに。例えば、演者と観客の気持ちの変化を演出に生かすライブパフォーマンスに。セミナー内では、可視化されたオーラの活かし方について東江さんのビジョンが生き生きと語られました。プロダクト解析センターの丸山さんからも、ヨガ体験中のココロと身体の状態を可視化する検証事例の紹介がありとても興味深かったです。
ココロを深堀り、見つめなおし、うまくコントロールすること。それはこの現代社会でもとめられる、「くらしのソリューション」と言えるのかも知れません。
人を起点に『何が求めらているのか』から考えるものづくり。
このビジョンから生み出された「aura meditation」は、人に寄り添うパナソニックの象徴のように感じました。