見出し画像

技術者から営業に転身。デバイス技術の魅力を広く届け、豊かな社会に貢献したい。

幕張メッセなどの大規模会場で開催される、最先端技術の展示会。およそ10万人が訪れるこのイベントにおいて、パナソニック インダストリー株式会社のブースを取り仕切るのが、嶋真弥の仕事である。展示品を手がける事業部、集客のための広報やWEBマーケティングの部門、ブースをつくる装飾会社など、多岐にわたる関連部署やパートナー企業と協力しながら、展示会を成功に導いていく。「人と関わることが好きなので、多くの人と一緒に展示会をつくりあげる仕事はおもしろく、自分に合っていると実感しています」。持ち前のコミュニケーション能力を発揮して活躍する嶋だが、入社から数年間は技術者として、デバイスの設計開発を担当していた。その後、自ら手を挙げてやりたい仕事にチャレンジできる社内公募異動制度を利用し、営業・営業企画職へ転身。自らの想いを動かし、道を切り開いてきたのである。

入社前は、現在のキャリアを想像もしていなかったという嶋。学生時代は数学や物理が好きで、迷うことなく理系の道を進んだ。大学院ではVRの研究に没頭し、情報、機構、ソフトなど幅広い分野を経験。子どもの頃に憧れたドラえもんみたいに人の役に立つモノづくりがしたくて、技術者としてパナソニックグループに入社した。最初に配属されたのは、ディスクにデータを読み書きする光ピックアップの光学設計。学生時代に幅広く学んできたものの、はじめて経験することも多かった。「光ピックアップはミクロン単位の緻密な技術の積み重ねでできていて、最初は分からないことだらけでした」。そんな嶋にとって、経験豊富な社員たちが身近にいたことはありがたいことだった。技術はもちろん、社会人になったばかりの嶋に必要な仕事に対する向き合い方や心構えなども教えてくれた。「与えられたことだけでなく、他部署とも積極的に関わり知識を広げることで、設計の全体像が見えるようになりました。複数の技術分野の知見を身に付けることができ、自分だからこそ発揮できる価値が増えていきました。また、巻き込む人の輪を広げ信頼関係を築いていくことで、自分だけではたどり着けなかった成果をだせることも体感しました。」

光学設計にやりがいを感じ、充実した日々を過ごしていた嶋だったが、5年目に転機が訪れた。社内には高い技術力があったが、その価値や魅力が多くの人に届いておらず、業績に結びついていない状況を目の当たりにしたのである。「さまざまな事情があるとはいえ、先輩方の優れた技術力を活かし切れていないことが、とても悔しいと感じました」。それまで技術者の道をひた走ってきた嶋にとって、その悔しさがキャリアを見つめ直すきっかけになった。「どんなに優れた技術者がいて、よい商品を生み出せても、それを必要とする方に適切に届けられなければ意味がありません。モノが溢れる時代において、技術をどう伝え、どう売るかが大事だと痛感しました」。自身の性格や強みを改めて考えると、人を巻き込み、コミュニケーションを取りながら進める仕事が向いていると思った。優秀な技術者に囲まれていたことも、自分の強みをより活かせる仕事への想いを強め、嶋は営業・企画営業職への挑戦を決意した。「さまざまな経験を経て、入社当初の想いが変わることは誰にでもあると思います。その時に社内で職種を変えられ、自分でキャリアをつくっていける制度があることはとてもありがたいことだと思います」。

技術者に寄り添い、その活躍を支えるマーケターになりたいという新たな夢に向けて走り出した嶋は、主担当として最先端技術の展示会の企画・運営を任され、日々の仕事に夢中になっている。「たくさんの来場者がいる展示会において、会社の顔となるブースをつくり上げ、製品の魅力や技術力を正確かつ深く知っていただく仕事に大きなやりがいを感じています」。つくる人から伝える人へと役割は変わっても、技術の力で会社や世の中に貢献したいという強い想いは変わらない。

展示会の開催期間は3~4日間だが、その準備には半年間を要する。まず展示のコンセプトを決め、事業部のメンバーとともに展示する製品やパネルを用意する。「パナソニック インダストリーの事業を、より多くのお客さまに知っていただけるようにブースを設計しています。業界の動向や世の中の注目度を踏まえてコンセプトを決めます。いま訴求したい商材をアピールしつつも、コンセプトに合うようにブースのストーリーを考え、外部とも連携しながら最適なブースを形にしていきます」。さらに、社内の広報担当やWEBマーケティング担当などたくさんの関係者と丁寧に準備を重ね、展示会当日は一人でも多くの方に魅力を訴求できるように忙しく立ち回る。「仕事が多岐にわたり大変ではありますが、全体を見渡せるポジションで展示会を主導していくやりがいがあり、成し遂げた時の達成感はとても大きいです。また、任される仕事の裁量が大きいので、自分なりにさまざまな施策にトライできるおもしろさもあります」。

現場で多くの人がブースに訪れる姿を目の当たりにすることが、何よりも嬉しい瞬間であり、展示会を通じて会社や製品の魅力をさらに発信していくことが嶋の今後の目標である。そして将来は、マーケティングの仕事をもっと幅広く経験し、スキルを磨いていきたいと考えている。「技術者に寄り添うマーケターとして、これまで以上に技術を適切に社会に届け、技術者が思う存分、開発に打ち込める環境をつくっていきたいです」。学生の頃から技術を愛し、技術者を経験したからこそ辿り着けるマーケターの姿が、嶋には見えているようだ。

<プロフィール>

嶋 真弥 (しま まさみ)
営業・営業企画
パナソニック インダストリー株式会社
2018年入社 情報システム工学科研究科卒

舞台鑑賞が趣味で、休日はライブならではの臨場感や熱量を味わいに劇場へ。展示会のヒントになることも多く、集客や告知のタイミングなども、つい気になってしまう。好きな言葉は「一期一会」。仕事でもプライベートでも、人との出会いを大切にしている。

技術者の活躍を支援するマーケティングで、
幸せの、チカラに。

◆パナソニックグループ採用HP
https://recruit.jpn.panasonic.com/

*所属・内容等は取材当時(2024年9月)のものです。