生活者を知り、その人の立場で世界を見る。
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生活者を知り、その人の立場で世界を見る。


インサイトリサーチャーの藤川恵美です。
パナソニックでは多種多様なインハウスデザイナーが在籍しており、モノの色や形をつくる以外にもデザインの仕事があります。

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今回は、デザイン思考の中心要素ともいわれ、近年注目が集まっているインサイトリサーチ*を行う、自身の経験や仕事をご紹介します。

* インサイトリサーチとは
人間中心デザインの手法のうちのひとつ。アンケートやグループインタビューでは把握することがむつかしい生活者のインサイトを調査・分析し、取り組むべき課題を抽出する手法。

生活者のことを知り、本当に必要な解決策を導き出す仕事

インサイトリサーチャーの役割は、生活者の実生活状況や価値観をよく知るために、インタビューや家庭訪問などによる行動観察や「その人」の立場で世界を見ることにより、顕在化していない本質的な想いや課題を抽出して、分析し、インサイトを導きだすことです。
その人が気づいている事実、生活者の声をそのまま答えとするだけではなく、その背景にある価値観や習慣を理解して、何を提供していけば良いのかを考えていく新しい発想の糸口を探します
つまり、社内の意見だけで方向性を決めるのではなく、実際に生活者の声を聞き、リアルな生活を理解して、パナソニックとして解決すべき課題やテーマを導き出します。

商品や事業企画のはじまりからおわりまで並走する

独特な習慣や困りごとを持つ生活者にインタビューを行い、その方たちの言葉や習慣、家族構成や周りの人との関わりなど、定点的に継続して調査を行います。この調査を元に分析を行い、インサイトを導き出します。さらに、各業界のエキスパートにもインタビューを行い、取り組むべき課題を抽出していくためのインサイトをまとめていきます。

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2020年4月以降のプロジェクトは、家庭訪問ではなくオンラインでの調査という事もあり、より生活実態が導き出せるようアクティビティキットなどのリサーチプロップ(道具)も利用して行いました。

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1日の流れ、自身の感情、家の間取り図や身近な人との関係図を描いてもらうことや、想定した相手との会話を想像し書いてもらうバブルドローイングという手法も用いました。
このリサーチから抽出されたインサイトをもとに、新規事業の企画を社内で進めているところです。
現在はデザイン部門だけではなく、商品開発部門と一緒にインサイトリサーチの手法を用いて商品企画に取り組む、ということをはじめています。

人間中心デザインをあたりまえの考え方に

若手の育成のために、ロンドンのRoyal College of Art Helen Hamlyn Centre for Designにて人間中心デザインの手法を学ぶ研修の企画を行いました。

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それぞれ多様な価値観で生活をしている一人ひとりのために寄り添い、UX(顧客体験)起点での商品・サービスの開発に反映していくため、インサイトリサーチ手法など、人間中心デザインの浸透にも、力を入れていきたいと考えています。

大切なのは「視点を変える」ということ

自分の視点のみで解決策を探すのではなく、対象となる生活者の立場になって、その人の世界を見ることが一番大切です。それを可能にするのがエスノグラフィーに基づくリサーチで、その手法は数多くあります。しかし、重要なのは「視点を変える」ということです。これは、デザインのみでなく、日常生活の中でも必要なスキルなのではないでしょうか?
特に今は多様性の時代だと言われます。自分とバックグラウンドが全く異なる人を理解するのは、島国である日本で育った日本人にとっては難しいことかもしれません。しかし多様化する社会の中で、価値観が異なる人たちと気持ちよく共存するためには、他の人の立場で物事を見られることが必要で、そうすれば、おのずと多様性を受入れ、理解する事ができるようになるのではないでしょうか。多様なお客様に製品やサービスを届けるメーカーとして、自分とは異なる生活者の立場で物事を考えられるようになることが、今後ますます重要だと考えます。

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藤川 恵美
イギリスのHelen Hamlyn Centre for Designの研究員、オランダのPHILIPS Design、慶應義塾大学院メディアデザイン研究科特任講師を経て、2017年にパナソニックに入社。
現在は、くらし事業本部 デザイン本部 FLUX所属 のインサイトリサーチャー。

◆ Panasonic Design サイト
https://panasonic.co.jp/design

*所属・内容等は執筆当時のものです。

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