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眠っている膨大な知財をマネージメントし、 資産活用したい。

「自分は何がしたいんだろう。どんな仕事が向いているんだろう」。大学3年生。何となく流れでここまできたけれど、このままでいいんだろうか。船瀬和記は、進むべき道を決めかねていた。理系ともなると半数以上が大学院をめざし、残り半数は就職活動を始める。機械科学専攻ということもあって、専門的な技術者をめざす仲間が多い。でも、機械や技術に執着せずに、もっと広い視点で考えたかった。

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「知的財産」というジャンルの仕事を耳にしたのは偶然だった。インターンシップに参加していた時だ。漠然と興味を惹かれ、進むべき道のひとつとして考えるようになった。その後、より深く将来を考えるためにも大学院に進んだ。修士1年の夏、あらためて知的財産部門のインターンシップに参加してみた。それがパナソニック。現在所属する、正にこの職場だった。特許出願や特許調査の体験をした。幅広く、いろいろな先端技術に触れられるのがたのしかった。さまざまな開発現場を裏で支える知財担当の姿を見て、ワクワクした。また、何よりチューターとして担当していただいた先輩の気さくで愉快な人柄に触れ、ここでぜひ働きたいと思った。ここで働く自分さえ想像できた。

希望通り入社が決まり、知財のスペシャリストとしてのキャリアが始まった。特許権の出願権利化が主な業務で、音響技術や次世代センサー、AIを用いた画像処理技術を開発するチームなど、担当は多岐に渡った。いずれも最先端技術。専門的な技術・法律知識を必要とするここでの業務が、現在の仕事の土台になっている。6年目にして、特許の資産活用をするチームに移った。実は、特許は持っているだけで、特許庁に支払う費用などさまざまなコストが発生する。例年、特許出願数も登録数も日本で上位のパナソニック。独占排他的な権利を保有できる反面、莫大な維持コストを必要とする現実とも向き合うことが求められる。「今後はこれまで以上に保有する特許権を体系的に整理・評価し、価値を見出して資産化していかなければならない」。船瀬は新たな資産評価手法の確立に日々奮闘する。

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資産評価をする上で、まずは膨大な特許を評価してランク分けしていく必要がある。また、特許権の技術的特徴などを分かりやすく整理し資料にまとめていく。そういった地道な仕事の一方で、パナソニックの特許を使用する他社に対するライセンス活動や、自社に眠っている特許を必要とする企業を探し出し、交渉にも出向く。特許を他社に活用してもらうことで、収益につなげることも大きなミッションだ。アメリカへと、アジアへと、正にグローバルなマネージメント業務。会社の収益に貢献する高額な取引が、船瀬とそのチームによってまとめられていく。

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すでに社内にエキスパートが多く在籍する出願権利化業務とは違い、知財の資産評価・活用はまだまだ改善点が多く、これから自分たちで築いていかなければならない仕事。「そこが、やりがいがあっておもしろいんです」。とはいえ法的知識やビジネス英会話、交渉力、コネクション、気づかい、人間力など、学ばなくてはいけないことが山ほどある。「目標は、師匠ともいえる上司や先輩たち」。「一緒に交渉の場に行くと、お客さまが信頼を寄せているのは圧倒的に自分より上司。自分の力不足を痛感します」。悔しさは人を成長させる。煩雑な特許のランク評価や資料づくりのアウトソーシングとして、インドの会社を自ら開拓。働き方まで改革した。「知財の資産評価・活用を成功させ、日本企業のモデルケースにしたい」。進むべき道を見つけた船瀬に、もはや迷いはない。

<プロフィール>

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船瀬 和記(ふなせ かずき)
知的財産
イノベーション推進部門
2010年入社 基幹理工学研究科卒
趣味は小さい頃から続けたサッカー。旅行も好きで、会社の同期とはいろいろな国に行った。今は家族と過ごす時間を第一にしている。

◆パナソニック採用HP
https://recruit.jpn.panasonic.com/

*所属・内容等は取材当時のものです。

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