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サプライチェーンのオペレーションを革新し、パナソニックを支えたい。

「物流って、何?」。それは、入社後、貿易物流部門に配属された岩原康一郎の素直な反応だった。それまで、物流というものを意識したことがなかった岩原は戸惑ったが、「まずは、今の環境で目の前の仕事を深堀りしていこう」と前向きに捉えた。そして、日々の仕事を通してグローバルなサプライチェーンを支える貿易物流という仕事の奥深さを知り始めた頃、大きな事件が起きた。

2018年、台風21号の影響により関西国際空港島と大阪を結ぶ連絡橋にタンカーが衝突し、関空島が孤立。それにより約1.5カ月の長期間にわたり、関西国際空港からの輸出が停滞した。当時のパナソニックは、日本発の航空出荷物量の約7割を関空から輸出していたため、その影響は大きかった。この非常事態に、岩原は緊急対策チームの一員として、成田国際空港や中部国際空港からの輸出に振り替える代替手段の整備に奔走。だが他社も考えることは同様で、航空機が持つ搭載スペースの奪い合いとなった。

「この部品だけは絶対に今日のフライトに乗せて欲しい!」事業部からの要望は1日に何十件と溜まり、焦りと緊張の日々が続いた。「私は、航空代理店や物流パートナーとともに日夜対策に追われ、出荷の確証が取れるまで会社で待機していました。そのよう状況のなか、テスラ社の量産モデルが急遽立ち上がることとなり、莫大な量の電池原材料を北米へ航空輸出する必要が出た時は、気が遠くなる思いでした」。

台風で物流が長期間停滞する現実を目の当たりにして「このままではいけない」、「変えるべきことはたくさんある」といった気持ちが岩原のなかでどんどん湧き出てきた。「あの時の気持ちは、その後仕事をする上での大きなモチベーションとなっていきましたね」。

関空の問題が落ち着くと岩原は、「貿易システム刷新プロジェクト」の仕事に取り組んだ。このプロジェクトは、パナソニックグループの輸出取引の合理化・効率化を目的とした、新システムの導入および倉庫の統廃合推進がミッションだった。新システムの導入では、その運用にあたって、どのような課題があるか現場から吸い上げてシステムに反映。修正を重ねて落とし込んでいった。しかし、倉庫の統廃合は、順風満帆とはいかなかった。

「関係者の痛みを伴う改革には、当然、感情的な反発も出ます。私自身も苦しかったですが、絶対に逃げず、最後まで誠意をもって対応しようと心に決めました。時には厳しいお言葉をいただくこともありましたが、何度も現場まで足を運び、可能な限り声を拾って誠心誠意、対応しました。『最後に岩原さんと仕事ができて良かった』と言っていただいた時は、自分のなかで報われた気がしました」。

現在は、パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社の物流本部に所属し、パナソニック物流株式会社に出向。そこで、国内物流の仕事を担当している。人手不足が深刻化するなか、求められるサービスレベル・合理化期待が高まる一方の国内物流。こうした問題に対して、ITを駆使したオペレーション改善により物流を革新する「物流DX」を現場で推進している。その取り組みの一貫として、岩原は神奈川県にある厚木物流センターで、「自動化設備」の導入を担当した。

従来、商品を出庫する際は、作業者が商品のある棚を探し歩き、取り出して運んでいた。しかし、この「自動化設備」は、モニターを見ながら出庫したい商品を選択すると、商品が作業員のいる場所まで棚ごと自動で運ばれてくるしくみだ。「導入前のテストで、バグやエラーが発生し、その対策に追われるなど苦労もありましたが、何とか期限内に完成。現場作業者への作業説明や教育も行き渡り、現在は、従来比で約1.5倍の効率化を実現しています」。

岩原は、国内物流の「物流共同化」にも取り組んでいる。パナソニックグループは、これまで家電・電材・住建商品など事業会社ごとに物流を運営してきた。その物流に横ぐしを刺し共同化することで、コスト削減・お客さま満足向上に繋げることをめざしている。

「物流という側面から、事業を支えることができるのは大きな魅力です。また、新しい物流をつくる過程はたのしいです。自分の頭のなかにあるアイディアを、チームで検討しそれが形となり、実際に現場で運用されていく。その結果、誰かの仕事が楽になり、現場がさらに効率的になり『ありがとう』と言ってもらえた時はやりがいを感じます」と微笑んだ。

入社以来、物流一筋に取り組んで来た岩原には、目標がある。「サプライチェーンマネジメントは、各部署全員が協力してつくり上げるメーカーの総力戦だと思っています。サプライチェーンを支えるオペレーションを革新し、止まらない、ムダがない、他社にも負けないものに磨き上げ、パナソニックグループの事業を力強く支えていきたいと思います」。

<プロフィール>

岩原 康一郎(いわはら こういちろう) 
ロジスティクス
パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
2017年入社 文学部卒

高校時代に歴史のおもしろさに目覚め、大学では中国史、モンゴル帝国の時代を学んだ。趣味は、キャンプや登山。滋賀県の蓬莱山で経験を積み、いつか日本百名山に挑戦する夢がある。最近、細身の体型を変えるために筋トレに励んでいる。

◆パナソニックグループ採用HP
https://recruit.jpn.panasonic.com/

*所属・内容等は取材当時のものです。


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