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震災から10年と、これからの未来 | エクスプレションD.S.  門馬春菜

私が東日本大震災を経験したのは4歳8ヶ月でした。
ピアノの説明を聞きに行った先で大きな地震に遭いました。地震の後、私の体には変化があり、トイレに15分おきに行くようになっていました。今思えば、PTSDだったのかもしれません。今では全く無くなりました。
私は震災前の2月から今のダンススクールの体験レッスンを受けていて、本入会しようとしていた矢先の出来事でした。レッスンを再開した先輩方は、避難所を慰問し、ストレッチをしたり、ダンスをしたり、ダンスで心の復興をしようと活動していました。
そして私は今、その活動を受け継ぎ、今まで活動してきました。この活動をしていなければ出会わなかった人、できなかった貴重な体験、活動をとおして生まれた絆。私にとってとても大切な場所です。私たちには被災された方に大したことは出来ませんが、いつも少しでも元気になってくれるようたくさんの笑顔を届けています。
活動する中でいつも気をつけていることがあります。それは先生がおしえてくれた、「助けられる側ではなく助ける側にたつ」ということです。少しでも多くの笑顔を届けられるよう、これからも活動していきます。

震災から10年が経ちましたが、被災された方の心の傷は一生消えないと私は思っています。
震災の時、福島県では原発が爆発し、放射性物質が飛散しました。私も新潟県の叔父のところに避難しました。現在は定期的に甲状腺検査を受けていますが、本当に体に害がないかとても心配です。本当に大丈夫ですか?誰かおしえてください。

先日も大きな地震がありました。震災の時よりは小さな揺れでしたが、私の体が過剰に反応していました。
また津波が来たら、停電したら、断水したら・・・そう思うと10年前を思い出して不安になりました。
今ではちょっとした地震には反応しませんが、少し揺れが長かったり、大きかったりするとあの時の記憶がよみがえりとても怖くなります。歳が大きくなって「地震なんて怖くない」と強がってしまいます。でも、本当はとても怖いです。

当たり前のことが当たり前じゃなくなる・・・それは震災だけでなく今、コロナ禍でも同じだと思います。今のご時世でも私の大好きなダンスを
続けられるのは、家族のおかげ、そして先生のおかげだと思っています。

これから先、コロナはおさまっているのか、自然災害が頻繁に起こらないか…そう考えるととても心配です。

震災当時、先生が自分の夢を諦めてまで私たちの心のケアをすることを選んでくれたことに感謝しています。
今の私があるのは家族のおかげ、そして先生のおかげです。

これからも助ける側にたち、皆さんの笑顔に勇気づけられながら、私もたくさんの笑顔を届けたいです。

震災から10年を迎えた今。
日本は、いえ、世界は未曾有の事態に直面しています。

そのような困難な状況でも、未来を見据え、力強く生きようとする若い世代の人々がいます。

3月中、パナソニック_ソウゾウノートでは、震災から10年を迎えた日本に向けて、そして新たな壁を乗り越えようとしている世界に向けて、次世代から寄せられたメッセージを掲載していきます。

協力:文化プログラムプレスセンター