障がいのある人も健常者も働きやすい職場をつくりたい。
新たなモビリティ社会の実現をめざし、車載カメラやスマートキーレス、ETCといったADAS(先進運転支援システム)関連商品の開発を行っているのが、車載システムズ事業部 安全・安心システムズビジネスユニットだ。中村功太郎は、そこで異動や退職に関する実務、労働時間管理、組合連携、定年式の対応などの人事業務を担当している。「人事は人を助け、人のためになることが仕事です。頑張れば頑張るだけ人を幸せにできますし、職場風土の改善といった"見えない部分でのサポート"も重要な仕事なので、聴覚障がいがあっても、コミュニケーションを工夫しながら一緒に働ける。そんなところが、この仕事の魅力だと思います」。
自分が本当にやりたいこと。それは、パナソニックの人事と出会って見つかったと彼は言う。「就職活動を始めた時は、何をやりたいのか分からないまま、何となく『営業志望』と言って就職説明会に参加していました。でも、パナソニックの面談で『会社に入って何をしたいか』と聞かれた時に、『障がい者にも健常者にもいちばん働きやすい職場をつくりたい』って言ったんです。そうしたら面談員の方が『じゃあ人事の仕事をしてみないか』って。話を伺ううちに仕事のイメージが沸いてきて、すごくワクワクしたんです。それでこれだ!って決めました」。
しかし、働く前は不安もあった。会議などいろんな人がいる場で会話を聞き取れるだろうか。電話ができないけれど、大丈夫だろうか。そもそもどういった仕事か分からないが、自分にできるだろうか。「働き始めると心配はすぐになくなりました。会議は、なるべく文字で書いていただけましたし、話す時も面と向かってゆっくり話していただけました。電話もできるだけメールでの対応にしていただき、仕事は先輩が丁寧に教えてくださいました。こうやって一人ひとりに合った仕事の進め方や制度を、その人とともにつくっていく。パナソニックってそういう会社なんです」。
彼には仕事を通じて実現したい目標が2つある。ひとつは自分が担当する安全・安心システムズビジネスユニットの職場改善・風土改善に貢献し、ここで働くすべての人にとってより良い会社にすることだ。「担当部門をどこよりも居心地の良い職場にしたいんです。上司と私の2人で800人以上の人を担当しているのでとても大変ですが、その分やりがいも感じています」。
そしてもうひとつ。「自分がロールモデルとなって、障がいのある方にとっても働きやすい環境をつくることです。職場が、しくみが、どうなれば働きやすくなるのか。障がいがあるからこそ分かること、感じることを役立てたいんです。それは答えのない答えを探すような挑戦かもしれません。長い道のりになると思いますが、一つひとつ実現していきたいですね」。
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*所属・内容等は取材当時のものです。