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機械が人を理解するテクノロジーで、 世の不便をなくしたい。

子どもの頃、祖父が営む町工場が好きだった。ドリルや旋盤などの工作機械が並んでいて、少し油の匂いがした。祖父は、自転車が壊れると、ニコっと笑って直してくれた。そんな祖父の影響か、いつしか藤村亮太は、時計を分解して遊ぶような少年になっていた。そして高校生になった頃には、「モノづくり」を視野に入れて将来の進路を歩み出していた。

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大学は理工学部に進み、大学院では「人とロボットのコミュニケーション」に関する研究に没頭した。就職活動は、その研究テーマを追究できる環境を求めて動いた。パナソニックを選んだのは、くらしにおける人間と機械の関わり方を改善していくために最も適した環境であると感じたこと。さらに、創業者松下幸之助の経営理念のひとつ、良質のものを水道の水のように容易に手に入る環境を整えるという「水道哲学」に共感したからだ。

入社後、配属されたのは本社R&Dセンター。初仕事は、車を運転するドライバーの顔画像から眠気の度合いを推定するアルゴリズムの開発だった。画像認識や機械学習の技術ははじめて扱ったので、必死に学びながらの開発だった。その後、データ分析のチームへ異動となり、外食産業向けの来店者数予測アルゴリズムの開発を担当した。天気、曜日、周辺のイベントなどのビッグデータをもとに、翌日の来店者数を予測することで、適正な仕入れをし、食材の廃棄ロスを減らすことができる。彼が自ら行ったプレゼンテーションは客先から高い評価を得て、実用化に向けて事業部へ技術を引き継いだ。チームでつくった技術が社会課題を解決するかもしれない...。そんなやりがいを感じていた。

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入社6年目に、大きなチャンスが巡ってくる。現在所属するビジネスイノベーション本部に異動すると、クルマの自動運転を実現する上で欠かせない技術、Deep Learningを応用した物体検出アルゴリズムの開発リーダーに抜擢された。これは、車載カメラで撮影した画像から歩行者やクルマなどの存在を読み取る技術で、これからのパナソニックにとって重要なミッションのひとつとなる。米国シリコンバレーにある研究所との共同開発という形で進められた。「シリコンバレーのスタッフは、実装力もアルゴリズムの開発力も非常に高いので、一エンジニアとしてとても刺激になりました。彼らに信頼してもらうためにはどうしたらいいか、かなり考えて試行錯誤しました」。そして、彼らと対等に話せるようになるためにDeep Learningの知識とスキルを一から勉強し直した。

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開発初期は、さまざまなエラーが発生。人が飛び出した想定の時に車の停止が遅れたり、人や物を認識していないのにブレーキを踏んでしまったり。「このままでは世に出せない...」。彼は焦る気持ちと闘いながらエラーが出る度にアルゴリズムを検証し、車載関連事業を取り扱うオートモーティブ社の担当者と議論を重ねた。開発から2年後に迎えた本社敷地内の私道でのテストの日。開発スタッフをはじめ大勢の関係者が固唾をのんで見守るなか、自動運転コミュータが走り出した。想定したルートを無事に走り切った瞬間、彼の口から漏れたのは安堵のため息だった。「手のなかが汗でびっしょりでした。でも、本当に嬉しかったです。これまでの苦労が報われたようで。それから、英語もろくに話せない私に、海外との共同開発プロジェクトを担当させてくれた会社に、感謝の気持ちでいっぱいになりました」。

彼はもう次のミッションに取り掛かっている。今まで培ってきた画像認識アルゴリズムを応用し、くらしの統合プラットフォーム「HomeX」の実用化を推進することだ。「HomeX」は、家電や住宅設備の機能を統合しインターネットとつなぐことで、家が人を理解してさまざまなサービスを提供する近未来の事業だ。「最新技術を扱って未来を形にしていく仕事は、とてもやりがいがあります。将来は、機械が人を理解するセンシング技術をもっと進化させて、世の中のあらゆる不便をなくしていきたいですね」。

<プロフィール>

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藤村 亮太(ふじむら りょうた)
研究開発
イノベーション推進部門
2010年入社 理工学研究科卒
父は美術家で、母は中学の美術の教師。そんなアートの家系に生まれながら、エンジニアの道に。大学時代には、インターンとしてカーメーカーの研究所で取り組んだ研究を論文化し、ロボット系の国際会議で発表したことも。休日は、奥さまと散歩を楽しんだり、音楽を聴いたり、のんびりと過ごすことが好き。

◆パナソニック採用HP
https://recruit.jpn.panasonic.com/

*所属・内容等は取材当時のものです。


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