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万が一を見逃さず、 パナソニックの信頼を守りぬきたい。

「あきらめずに、何事にも挑戦しなさい」。先輩のあの一言が、どれだけ背中を押してくれただろう。今ここにいるのは、あの言葉のおかげ。大げさかもしれないけど、そんなことを思う。ありがとうございますって何度も言いたいくらい。本当に言ったらきっと「何言ってんの」って笑われるだろうけれど。

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西村直晃が、大学で情報社会科学部を選んだのは、障がい者を取り巻く環境について、具体的に知りたかったからだ。自分のように障がいを持つ人も、持たない人と同じように、自分の人生のあり方を自分で決め、自立して生きることが可能な社会をつくるにはどうすればよいか。学ぶほどに目の前の道への不安や決意のようなものが、胸の奥で泡のように湧いた。そんな時だった。ゼミでパナソニックを訪れることになった。自分の研究発表に真剣に耳を傾ける社員の人たちの姿が、素直に嬉しかった。障がい者の仕事について質問した時も誠実に答えてくれる様子に「この人たちのような社会人になりたい」と自然に思えた。働いている自分を想像した時、仕事というものが前向きに考えられた。その日からパナソニックは、彼のどうしても働きたい会社になった。

品質管理。入社した彼が配属されたのは、リレー、スイッチ、コネクタなどをつくる伊勢工場において、製品の品質が基準を満たしているかどうかを最終チェックする部署だった。「品質検査で使う計測器が、正常の値を示すかどうかを検証する仕事が私の担当です」。品質を守る。つまり、パナソニックブランドの信頼を守る仕事。そう思うと、緊張とともに嬉しさが溢れた。何でも吸収してやろう。そう意気込む反面、聴覚に障がいを持つ自分がうまくコミュニケーションが取れるだろうか、仕事で迷惑をかけてしまわないだろうかという思いがどこかにあった。

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早く一人前になりたくて、パナソニックの先輩たちからサポートしてもらいながら懸命に仕事をした。計測器の校正は資格が重視されるから、専門知識とスキルを磨くため、さまざまな研修や勉強に励んだ。おかげで、だんだんと任される仕事が多くなってきた。しかし、困ることも多くなってきた。「社内の他部署や社外の方と接する機会が増えたので、打ち合せや会議の内容を誤って聞き取ったり、質問に的確な答えを返せなかったりすることが増えてきてしまったんです」。どうすればいいだろう。こんなに頑張ってきたのに。うつむきそうになった時に先輩に言われたのが、冒頭の言葉だった。

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「あきらめずに、何事にも挑戦しなさい」。そして、さまざまなアドバイスをもらいながら、彼の挑戦が始まった。「思い切ってどんな時に困ったと感じるのか、困らないためにどうしてほしいかをまわりに伝えることにしたんです。『会議や出張に出かけた先では聞こえやすい場所に座らせてほしい』とか『何人も同時に話すと聞き取れないのでレジュメを用意してほしい』とか、一つひとつ」。自分の要望を率直に伝えていいのか迷いはあった。勇気を振り絞るほどに会話のすれ違いがなくなり、仕事がスムーズに進むようになった。「それまでの自分は先輩に頼ってばかりでした。このことがあってからは、自分で課題を見つけ、伝えるべきことはきちんと伝え、自分自身で解決のために行動することができるようになったんです」。今、彼には後輩がいる。「今度は、自分がいろいろ教えてあげる番。それが先輩としての務めであり、責任ですから」。やさしさのなかに、自信と厳しさを湛えた笑顔。いつか彼が見た、頼れる先輩の姿がそこにはあった。

<プロフィール>

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西村 直晃(にしむら なおあき)
品質管理
インダストリアルソリューションズ社
2011年入社 情報社会科学部卒
障がい種別:聴力障がい
*感音性難聴による聴力障がいあり。雑音が多い場所での会話や、小さな音を聞き取ることが困難。
趣味は将棋。勝ちに近づくため、盤の上で、情報を集め、課題を見つけ、最善手を出すことに魅力を感じるそう。休日にはジムに行くなど、体力づくりや健康管理にも余念がない。

◆パナソニック採用HP
https://recruit.jpn.panasonic.com/

*所属・内容等は取材当時のものです。


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