『やさしさラボ』Day2
皆さん、こんにちは~!パナソニックnote編集スタッフの金田です。
今回の投稿では11月15日(日)に行われた『やさしさラボ』の第2回目セッションの様子をお伝えしていきたいと思います!(かなり時間が経ってしまって申し訳ないです…💦)
『やさしさラボ』のプログラム概要とDay1の内容に関しては既に記事を書いているので、まだ読んでいない方は先にこちらの記事から読んでみてくださいね!
AM トークセッション「やさしさとは何か?」
前回同様に、1日の始まりとして、まずは参加者同士で今感じていること・最近あったことなどを共有し合うチェックインの時間を取り、さっそく午前のワークが始まります。
Day2となる今回は、それぞれ全く異なる分野で活躍されているお二人のゲストをお迎えし、トークセッションを通じて「やさしさとは何か」について考えていきました。
1人目のゲストは、京都大学フィールド科学教育研究センター准教授の伊勢武史さんです。伊勢さんは生態学者としてご活躍されており、今回の『やさしさラボ』でも生物や環境の観点から「やさしさ」についてお話しして頂きました。
進化生物学によると、生物は血縁関係、もしくは仲間などの戦略的互恵関係に対して「やさしさ」を示すとされているそうです。例えば、プレーリードッグは天敵である鷹を見つけると、逃げるよりも先に警戒音を味方に発しますが、これは同じ巣に暮らす親族に危機を知らせ、共通したDNAを少しでも多く残すための行動だと言われているそうです。
また、多様性を受け入れることも「やさしさ」だと言います。兄弟や姉妹で性格が真反対というエピソードをよく聞きますが、これも多様性を保つことで絶滅を回避し、繁栄するための潜在的な工夫だそうです。有性生殖するのも、恋で悩むのも多様性を保持していくため。人間は違いやズレを本質的に抱えていく生物なのかもしれませんね。
そして2人目は、法明寺ご住職の近江正典さんです。近江さんには、長く日本の暮らしに根付く宗教の一つ、仏教の観点からお話し頂きました。
仏教の目的は、全員が仏陀(ブッダ=覚者=悟りを知るもの)になることだそうです。そして仏教の根本にあるのは「ゆるし」という考えで、この「ゆるし」こそが仏教における最大のやさしさなのではないか、と近江さんは語ります。
また、「やさしさ」を実践していく上での行動指針となるものとして、仏教には「布施」という修行があります。「布施」とは相手のことを思いやる心のことで、その中でも特に、資財や知識を持たない人でも自身の身体を使うことでできるものとして、「無財の七施」があると言います。
ん~難しい!笑 しかし奥が深いというか、とても考えさせられるというか。生態学・仏教という普段の生活の中でなかなか触れることのないテーマに関するお話を聞き、日常とは違った角度から「やさしさ」について考えるいい機会になりました。
それは参加者の皆さんにとっても同じだったらしく、その後の質疑応答の時間ではたくさんの質問が飛び交い、あっという間に午前中のトークセッションに終わりが来てしまいました。
なんと、多くの参加者が「この3時間だけでは時間が足りなかった!もっと話が聞きたい!」ということで、後日改めて伊勢さん・近江さんにお話を伺う時間を設定していました。
素晴らしい・・・!皆さんの積極性に感心するばかりです!
ちなみに本記事では簡単なご紹介とさせて頂きましたが、FabCafeのレポートではトークセッションの内容をより具体的に書いてくれています。
こちらから飛べますので、良かったら読んでみてください!
PM 500円玉を使って「むこうがわ」へギフトをしてみる
午前中のインプットを経て、午後は「やさしさを実践する」アウトプットの時間として、前回同様にフィールドワークを実施しました。さて、今回のテーマは、500円玉を使って「むこうがわ」へギフトをすることです!
参加者には事前に500円硬貨1枚を配布していたので、いったい何をするのかとワクワクしていた方も多いのではないでしょうか?笑
今回のワークを実施するにあたって重要なポイントが2つあります。
まず1つ目が、自分ではない「向こう側」の誰かに思いを馳せ、500円玉を有形無形問わず別の形(エネルギー)に変換してギフトを届けること。
そして2つ目が、そのギフトをした結果、そこにある価値がお金に換算できない価値、かつ500円より大きくなること。
と、これだけ聞いても具体的にどんなことをすればいいのか、なかなか想像しづらいと思いますので、さっそく僕のグループで出てきた案をいくつか紹介します!
ちーちゃんは、家の隣にある保育園に対してギフトを送ったそうです。今年に入って急遽建設された保育園のため、あまり近所との関係性が良くなく、それに対してモヤモヤを感じていたちーちゃん。少しでも関係性を良くできないかと考え、のど飴とレターセットを購入し、実名でギフトを送っていました。
一方かわちゃんは、近所の公園を使う人々のことを考えたギフトを送っていました。赤いスコップを購入し、犬のフンの始末を促す看板の下に、「ご自由にどうぞ」のメッセージと共にスコップを設置したそうです。かわちゃんは匿名でギフトを送っていました。タイガーマスク的な感じですね。
ここでグループ内で話題になったのが、ギフトの主を名乗るべきかどうかということ。
誰からの物かわからないと単なる備品だと思って「やさしさ」に気づいてもらえない、分かったほうが感動が湧き、やさしさの連鎖を引き起こしやすいのではないか?という意見もあれば、実名だと「やさしさ」を押し付けているように受け取られてしまうのではないか?と心配する意見も出ていました。
ちなみに僕も一参加者としてギフトを購入したのですが、匿名で実施してきた派です。この点かなり議論が盛り上がったので、ぜひ他のグループの皆さんの意見も聞いてみたいですね!
参加者同士でワークの共有をしているうちに、あっという間に午後の時間にも終わりが来てしまいました。
今回のフィールドワークを通じて、500円硬貨1枚でも様々な「やさしさ」を形にできると実感できたのではないでしょうか?また、それと同時に、「やさしさ」を実践するにあたっての障壁や苦悩にも触れた、学びの多いワークになったと思います。
ちなみに、このnoteアカウントの「やさしさラボ」マガジンには、プログラム参加者の皆さんが書いてくれた記事もどんどん追加しています!
参加者目線での記事も読むことができますので、気になった方は是非チェックしてみてくださいね!
次回は「やさしさラボ」Day3の様子をお伝えしていきたいと思います!
今回もここまで読んで頂き、ありがとうございました~!また次の記事で👋